おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

爪と根性

 昨日のブログで「肉体労働で爪が割れる」というような事を書いているとき、思い出したテレビドラマがあります。

 

 『あかんたれ』という志垣太郎主演のドラマ、ご記憶にありますでしょうか。本放送は1976年からですが、私が観たのは平成6年の再放送のものです。長男を出産して育児休暇中だったので、毎日楽しみに、姑とテレビの前に並んで観ていました。

 その中で、非常に印象的だったシーンです。

 

 荷物を縛っている荒縄を、ハサミで切ろうとした主人公・秀松に投げつけられた先輩奉公人の厳しい言葉。

 「あほんだら。手でほどかんかい!縄は切ったらつかえんやろ。爪は剥げてもまた生える」

 

 爪は剥げてもまた生える、とは・・・。

 凄まじいですね。丁稚の生爪より荒縄一本の方が大事なのですから。まあ、本気で言っているというより、一種のいじめだったのかもしれません。

 ちなみに、ドラマのタイトル「あかんたれ」とは、関西弁で「根性なし」という意味だそうで、こんな苦労や理不尽に耐えるのが、昔の日本の「根性」だったわけですな。

 

 ドラマが放映された70年代は、「根性」の時代とも言うべき日本だったようで、テレビアニメ『巨人の星』の主題歌には、「ゆくが~男の~ど根~性~」という一節があり、72年に放映開始のアニメのタイトルはズバリ『ど根性ガエル』。他にも「スポ根もの」と呼ばれる漫画・アニメが大人気でした。

 最近は、この「根性」という言葉があまり聞かれなくなったような気がします。かわりに登場したのが、「楽しみたい」ですかね?

 スポーツにしろ仕事にしろ、歯を食いしばって耐えるより、楽しんで取り組む方がパフォーマンスが向上するのなら、その方がいいです。ただ、何事も「本気」で取り組んでこそ「楽しさ」もあるわけで、結局、「一生懸命」つとめることが肝要だという点は、昔も今も変わらないのだと思います。

 ほら、せっかくの焼き肉も、手抜きの「あかんタレ」では、台無しってことですよね。では。

 

↓ 弘前公園の「根上がりのイチョウ」。

 が露出しているのに見事な大木ぶりです。また、イチョウの特性として火に強いのだそうで、そのため、街路樹として用いられるのだとか。まさに根性の木ですね。

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