おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

「ブランコ」だって、乗り物だ。よね?

今週のお題「わたしと乗り物」

 

 特に奇をてらったことを書こうと思っているわけではないのですが、「わたしと乗り物」というお題で「ブランコ」について書くのは、やっぱりちょっと変かも知れません。でも、こういう機会でもないとなかなか「ブランコ」についてなど書けないので、お付き合い下さいね。

 

 30年以上も昔、糸井重里氏が週刊誌に連載されていた『萬流コピー塾』という企画がありました。糸井氏の出す「お題」に読者がコピーを応募し、氏が評価するというものです。あるとき、「ブランコ」がお題として出され、優秀作として誌上で紹介されていた一つの作品に、私はなぜだか非常な感銘を受けたのでした。ところが、非常な感銘を受けながらも月日の流れは非情でして、正確なところは忘れてしまったのです。でも、内容としては、

 「ブランコは空間を移動する乗り物ではない。時間を移動するのだ」

といったものでした。恐らく、コピーは、

 「行く先は未来です」とか、そんな感じだったかと思われます。

 

 息子達が小さかった頃、二人を近所の公園で遊ばせ、私はブランコに揺られながらその様子を眺めていることがありました。そして、ブランコから下りて「帰るよ~」と息子達を呼ぶ時、良く上に書いた内容を思い出したものです。

 「ああ、今自分は30分後の未来にきたんだなあ」といった風に。

 

 ブランコは子どもの遊具として定着していますが、もともと中国で発祥したときは、宮廷の女官の遊びでした。そして、多分に性的な戯れという面があったそうです。

 ヨーロッパでも同じだったらしく、下の絵はフラゴナール「ぶらんこ」ですが、画面左下の男性の目線が嫌らしいですね(笑)

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 物には意外な歴史が潜んでいるものですね。

 

 最後に、ブランコ関連で、私の好きな俳句をご紹介したいと思います。ブランコは漢字で「鞦韆」とも書き、「しゅうせん」と読みます。

 

   鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし   三橋鷹女(たかじょ)

三橋鷹女は激しい句がうまいなあと思うのですが、この句なんかも、昂然と顔を上げた心の強さがいいです。真っ白な足袋が、ブランコを立ち漕ぎしている様が目に浮かびます。

 ブランコは「ふらここ」ともいいますが、全然ふらここと揺れていない、キッパリとした女性の姿がいいですね。

 

 今日はなんだか、とっちらかった文章になってしまいましたが、あっちへ行ったりこっちに来たりするのは、ブランコがテーマと言うことで、お許しを。では。