おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

『なつぞら』、終わりましたね・・・

 何回か拙ブログで取り上げた、NHKの朝の連続テレビ小説なつぞら』、今日が最終回でした。

 せっかく最後まで見続けた朝ドラ、やっぱり感想を書きたいと思います。テーマは、「可哀想な登場人物、ベストスリー」です。

 

第3位 柴田家の長女・夕見子(ゆみこ)

 主人公・なつ(広瀬すず)の劇中の台詞にも有りましたが、「夕見子は、なつがやって来たことにより、両親や祖父の愛を削られた」子なのです。特に草刈正雄演じる祖父の、実の孫達を差し置いてのなつに対する偏愛は、「?」レベル。私が特に印象深かったのは、男と駆け落ちした夕見子を祖父が東京に連れ戻しに行った時の一コマ。

 祖父が来てくれたことが嬉しくてたまらない様子の夕見子。「じいちゃん、パフェ食べに行こ」と呼びかけるも、じいちゃんの視線は未練がましく職場に向かうなつを追うのでした・・・。

 なつの娘が小学校入学に際し、じいちゃんの「行ってやれ」の一声で、柴田家の母が孫娘の世話をするため、東京へ。入学式にも参列していました。でも、夕見子の一人息子も確か同い年、つまり小学校入学だったと思うんです(てるお兄ちゃんの二男も?)。

 夕見子、息子の入学を実家でも祝って欲しかったろうな。それとも、小さいときからずっと「なつファースト」で、何も感じなくなっているかな?我慢が当たり前になってしまって・・・。

 

第2位 同僚の娘・明子(めいこ)ちゃん

 子どもが出来たときのことを何も考えずに妊娠し、生まれてしまってから右往左往するなつ夫婦に、救いの手を差し伸べ、優ちゃんを預かることにした、元同僚のあかねさん。あかねさんも大変でしたが、それは本人が選択したことであり、そのことで一番の被害者となったのは、あかねさんの娘・明子ちゃんではないでしょうか。

 本来であれば、長子としてママを独占できたのに、いきなりよその赤ちゃんがやって来て、どれほど我慢させられたことか。せっかくの、パパ・ママを独占できるお誕生日も、優ちゃんが飛び入り。しかも、なつおばさんからはプレゼントもないどころか、誕生日を覚えられてもいない。扱いがぞんざい過ぎ。可哀想に。

 保育園からの帰り道、あかねさんが明子ちゃんと優ちゃんに、夕飯は何を食べたいか尋ねます。まず、優ちゃんに。大人の常識としてはそうでしょう。気配りですよね。でも、子どもの明子ちゃんの思いはどうだったでしょう。いつも、優ちゃん、優ちゃん。優ちゃんが先。お姉ちゃんって、損だよね、辛いよね、しかも、本当の妹も生まれるし。どうか明子ちゃんが寂しさを抱えたまま成長することがないよう、ママもパパも、いっぱい可愛がってあげて欲しいなあと思うのです。

 

第1位 なつの初恋の相手の天陽君の未亡人

 死を悟って病院を抜け出してきた来た天陽君が、奥さんにかけた言葉。

 「お前と結婚して良かった。お前が畑仕事を頑張ってくれるお陰で、僕は絵を描いて、僕が僕でいられる」(ちょっと違うかも。ご容赦)

 ヒドイ、あまりにもヒドイ。私は特に、「お前と結婚して良かった」の部分がカチンときます。「いくつか選択肢があって、迷ったけど、結果的に正解!」ってことでしょ。何様?

 奥さんは重労働の畑仕事どころか、夫の両親と完全同居で、しかもいつまでたっても貧しいまま。それなのに、天陽君が亡くなったあと、両親は東京でノホホンと暮らす長男と勝手に「畑を売って離農する」とか言い出す。奥さんにはなんの相談もなく。

 その長男がマコプロの同僚と十勝に取材にやって来たときのこと。必死に畑を耕す弟の未亡人に対し、その姿を暢気にスケッチする義兄。義理の両親も何も言わないのでしょう。人の心がない!とまで思ったシーンでした。

 いよいよ最終回。嵐で畑がダメになってしまい、残ったジャガイモをせめて加工用にと収穫する未亡人。そこへ手伝いにやって来たなつとじいちゃん。最初は「気がきくじゃないか、さすがじいちゃん」と思ったんです。でも、この二人は、ろくに手を動かさずしゃべってばかり。おまけにじいちゃんが盛大にこけて、一緒になつも倒れ込み、二人で幸せそうに笑い合うのです。

 それって、ただでさえ貧乏なところに、畑や家に甚大な被害を受けた人の前ですること?本当に未亡人が気の毒でなりませんでした。

 最後に、この未亡人のために祈りたいことがあります。それは『雪月』の包装紙のことです。丘の上に赤い服の女の子が立っている、天陽君が描いた絵です。ストーリーの中では、あの女の子は幼い頃のなつだということが語られています。でも、未亡人はその事を知らないはずです。天陽君夫婦には娘と息子がいます。娘さんはあの包装紙の女の子は私だと思っていると思うんです。お父さんが私を描いてくれたと。もちろん奥さんだって、そう思っているはずです。どうか、誰も余計なことを奥さんの耳に入れませんように。

 母娘が、ずっと幸せな誤解をしていて欲しいと思うのです。だって、これ以上可哀想な目に遭って欲しくないもの・・・。

 

 朝ドラって、女性視聴者が多いと思うんですよ。女性って、共感を重要視しますよね。ドラマの登場人物にも、「わかる、わかる」って感情移入したいと思うんです。今期の朝ドラはその点で難しいものがあったと思うんです。主人公以外の扱いが非道すぎるというか・・・。

 上に書いた「包装紙」の件なんて、なんであんな内容をほうそうしたのか。理解に苦しみます。主人公を持ち上げるために、回りの人間を踏みつけにするようなストーリーは、共感は呼ばないと思います。半年にわたって、毎朝みる朝ドラです。せめて主人公を応援したくなるようなストーリーであって欲しいと思うのです。では。