おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

「反復説」について

 「個体発生は系統発生を繰り返す」というフレーズは、聞いたことがありますか。私は高校時代(40年前!)の生物の授業で習ったと記憶しています。

 一つの受精卵が一つの生物として誕生するまでの過程を、「個体発生」と呼びます。これに対して、それぞれの生物の「種」が進化の過程で経てきた形質変化を「系統発生」と呼びます。「系統樹」と言えば、生物の進化の過程を樹木のような形状で描いた図としておなじみです。この「系統樹」も、その言葉の元となった、そもそもの「系統発生」という言葉も、今から140年ほど前、ドイツの生物学者ヘッケルによって提唱されたものなのだそうです。

 そして、個体発生の過程が系統発生、すなわちその生物の進化のみちすじを繰り返しているのではないかという考え方が、「反復説」として、同じくヘッケルによって提唱されました。

 反復説をもう少し簡単に分かりやすく言いますと、人間の受精卵が一人の人間として誕生するまでの間には、魚の胎児のようだったり、爬虫類の胎児のような姿になったり、まるで人間が誕生するまでの進化の過程を追いかけるような道筋をたどるということです。

 一番最初に書きましたように、「個体発生は・・・」のフレーズは授業で習いましたので、私はこれは「定説」なのだろうと思っていたんですね。ところが、今回この記事を書くために調べましたところ、「反復説」はむしろ批判の多い「仮説」の一つに過ぎないということでした。また、レイシストによって、ヘッケルの提唱した内容を越えて曲解・悪用された歴史もあり、冷ややかな目を向けられる事も多い「仮説」なのだそうです。

 また、一方では、非常に魅力的な「仮説」として、素人は勿論、研究者すら惹きつけられるという一面もあるのだそうです。その理由は一言で言うならば、発生の過程(胚)を観察すると、似ていると「目に見える」から、ということになるようです。

 

 昨日の記事で、息子その2が早産で生まれ、出生時の体重は2386gの小っちゃい赤ちゃんだったと書きました。

 その息子その2の小っちゃい、小っちゃい顔を見たとき、私の心に浮かんだのは次の様な感慨でした・・・。

 「ああ、この子の顔、亀にそっくりだ。(まだ目もちゃんと開けられず)薄目の開け方も亀そのものだ。普通の赤ちゃんは猿みたいだけど、この子は猿になる前、哺乳類になる前の爬虫類の段階で生まれてきちゃったんだなあ。なるほど、個体発生は系統発生を繰り返すって、習ったなあ。」

 

 大分間違った解釈ですが、目にみえるということは、かくも簡単に人を説得してしまうんですね。昨日の記事中で、早産した不注意を息子に詫びましたが、今日もやっぱり、謝ります。「亀みたい」とか考えてゴメンナサイ。でも、可愛いと思いましたよ。

 「かめへん」と言って許してね。では。