去る4日に放送された、「プレバト!春の俳句タイトル戦”2019春光戦”」にて、フルーツポンチ・村上氏の俳句が1位に輝きました。
サイフォンに潰れる炎花の雨 フルーツポンチ 村上健志
凄いな~、東大王の鈴木光ちゃんもコメントしてましたが、炎がサイフォンに当たって「潰れる」なんて表現、どうしたら出てくるんだろうと思いますね。
夏井先生も「五感を刺激する」と激賞されておられましたが、視覚・味覚・聴覚・嗅覚に訴えてくるのは勿論ですが、なんと言っても、暖かい・冷たいの皮膚感覚を呼び覚ますところが凄いと思うんですよ。
弘前あたりでは、花時の雨って本当に冷たいんですね。「花の雨」に濡れて、冷えた体で入った喫茶店(ここはやはり喫茶店でしょう、カフェではなく)。カウンターの上のサイフォン。その小さな炎に「暖かさ」をみるのは、指先まで冷え切っているから・・・。
村上氏の過去作で、強烈に印象に残っている句があります。
テーブルに君の丸みのマスクかな フルーツポンチ 村上健志
文学作品を評して「健康なエロティシズム」という表現がありますが、この句には「健康では無いエロティシズム」があると思うんです。
「君」は風邪をひいているわけではなく、恐らく、予防か花粉症あたりでマスクをしているのでしょう。今、そのマスクは外されてテーブルの上にあるわけです。着けていたときの丸みを帯びた形のままに・・・。
「何みてるの?」
「えっ?(汗)実は俺ってマスクフェチなんだよね(笑)」
「やだ(笑)」
青少年は妄想たくましいものだというのは定説ですが、おばさんの妄想もなかなかなのです。だって、これが私の俳句鑑賞法なのですから。
それにしても、フルポン・村上氏、たいしたものです。マスクメロン入りのフルーツポンチのようなハイクラスな作品でした。次回作が楽しみです。では。