おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

玄武と羽衣

 少し前に、NHKで放送された『ブラタモリ』という番組で「へえ!」と思った事がありました。訪れた地は兵庫県の城崎(きのさき)温泉でしたが、その地に関連して同じ兵庫県豊岡市にある国の天然記念物の洞窟、玄武洞が紹介された時でした。

 

f:id:takakotakakosun:20201219102841j:plain

玄武洞 - Wikipedia

 

 写真も上のWikipediaのページからですが、柱状節理 節理 - Wikipediaが見事な「玄武岩」の洞窟です。ただ、洞窟とは言ってもこれは自然に出来たものではなく、「玄武岩」を切り出したことによって出来た人工の洞窟なのだということです。

 さて、私が何に「へえ!」と思ったかと言いますと、その「玄武岩を切り出して出来た玄武洞」というロジックが実は逆さまだったということです!「玄武洞から切り出した石だから玄武岩」なのです。

 江戸時代後期の儒学者・柴野栗山がここを訪れた際、伝説上の動物玄武の姿に見えることから「玄武洞」と名付け、明治17年、地質学者・小藤文次郎が岩石の日本名を制定する際に、玄武洞の名にちなんで命名したと言うことです。

 番組でも、「柱状節理が、甲羅やウロコの様に見えませんか」と案内役の方が仰っていましたが、確かに、と思いましたよ。

 柴野栗山殿、ナイスネーミングでござる。

 

 そして、話は変わりますが、私が常々「素晴らしいネーミングだ」と感心しているものがもう一つありまして、この機会にそれもご紹介したいと思います。

 サウナ関連で「羽衣(はごろも)」という用語はお聞きになったことがありますでしょうか。サウナの後、水風呂にゆっくりと身を沈めると体の周りが、膜のような、ゆる~いゼリーのような、冷たいはずの水が不思議な心地よい「何か」に変わります。まるで羽衣をまとったような。

 お笑いで、「○○ってカブトムシの味がするー、お前カブトムシ食ったことあんのかよ-」という、「あるあるもの」ネタがあります。この「羽衣をまとった」という表現にも同じ突っ込み、「お前、羽衣まとったことあんのかよ-」が可能でしょう。

 ところが。

 一度、水風呂で「羽衣」を経験してみて下さい。「ああこれは羽衣だわ」と納得しかないのです。ツッコミの余地がない。突っ込むのは野暮というものです。

 「羽衣」と最初に呼んだ方、ナイスネーミングでござる。

 ちなみに、サウナの通の間ではサウナで得られる最高の状態を「ととのう」と言うそうですが、そこまでいければサウナのプロといったところなのでしょう。私はまだまだそこまでは至れず、せいぜい水風呂の羽衣を楽しむレベルです。アマの羽衣なのです。では。