おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

夏野菜 茗荷(みょうが)

今週のお題「夏野菜」

 

 茗荷の独特な香りは清涼感もあって、薬味として夏の食卓には欠かせない、と思うのは大人だからでしょうね。子供にとってはあの香りのせいで、苦手な野菜に入るのではないでしょうか。

 茗荷は薬味と書きましたが、スーパーで「3個で158円」なんてみますと、その値段からも薬味として少量使いするのがせいぜいという思いがあります。

 

 息子達が大人になって、茗荷をオイシイと言うようになりました。特に、息子その1からは、「夏の間は、可能な限り茗荷を出して欲しい」というリクエストが出てビックリ!

 そして数日前、産直で茗荷が安く大量に手に入りました。息子の口に合うかどうかは分からなかったものの、私にとっての「おふくろの味」を作って出しました。

 「茗荷と豚肉と卵の味噌炒め。実家のおばあちゃんの味。実家の畑では茗荷が採れたから、こんな贅沢な料理が出来たんだよ(笑)。どう?美味しい?』

「美味しいよ、いいね」

 息子その1にも高評価。実は、昨年の夏に帰省した息子その2からも「美味しい」を頂いていたのでした。

 

 「茗荷を食べると物忘れをする」という俗信は皆さんご存知かとおもいます。そのいわれは、茗荷があるお墓から生えてきたことにあるそうです。

 なんでも、お釈迦様の弟子でとにかく物覚えの悪い方がいらしたそう。自分の名前さえ覚えられない。そこで、名前を書いたものを背中にしょって、名を尋ねられると自分の背中を指差したのだとか。

 その方のお墓から生えてきたのが茗荷。名を荷のように背負っていた方だったから、『茗荷』と呼ぶのだそう。そして、「食べると物忘れするよ」と言うのだそうです。

 そんな「茗荷」ですが、私にとっては忘れるどころか、逆に亡き母を思い出すきっかけの夏野菜なのです。

 母は息子達が小さいうちに亡くなっているのですが、二人とも可愛がってもらったという記憶はしっかり残っていて、「おばあちゃんの味」だということに「へー、へー」と興味を示していました。

 息子二人がすっかり大人になって、「茗荷って美味しいよね」と言うようになる。そして、私が彼等の祖母の味を再現してそれを親子で味わう。本当に小さな事ではあるけれど、冥加(みょうが)な事であるなあ、と思うのです。では。