おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

伊達の薄着

伊達の薄着(だてのうすぎ)という慣用句があります。(滅多に聞かないですね)

 伊達の薄着  見えを張り、着ぶくれを嫌って寒いのを我慢して薄着をすること(広辞苑 

 年をとってくると折に触れて、「若者の特権だなあ」と思うことがありますが、この「伊達の薄着」もその内の一つです。

 皆さんはお若い頃は、コートの前は開ける派でした?閉める派でした?

 私は一貫して開ける派でした。理由は二つ有りまして、一つはカッコつけて。もう一つは、いちいちボタンをかけるが面倒だから。

 年長者(母親とか)から、前を開けて着るのはだらしなく見えると言った苦言を呈されることもあったかと思うのです。が、そこは若者ですから、「そのだらしないところがカッコイイの」ぐらいに考えていたと思います。

 ところが、いつからでしょうね。前閉め派に変わっていたのです。

 コートの着始めの季節には開けている事もありますが、厚いコートの季節には確実に閉めています。理由は、前が開いていると寒いから。少し前の拙ブログで、自作のカーディガンにチャイナボタンをつけた事を書きましたが、それもやっぱり、寒さ対策のためなのでした。

 見栄を張ってつけたいカッコもボタンをかける面倒くささも、あっという間に蹴散らしてしまう、「寒い思いはしたくない」という年寄りの一番の願い、切実です。こんな事も、自分が年をとってみて初めて実感として分かることですね。

 

 昨夜、北京冬季五輪の開会式をみました。オープニングの二十四節気のカウントダウンの映像がとても綺麗でした。

 観覧席に習近平氏とバッハ会長が並んで着席されたのですが、お二人の服装の違いに驚かされました。習氏は襟元までしっかり重なるダウン(?)コート。フカフカととても暖かそうです。対するバッハ氏は、Yシャツ・ネクタイ・ブレザーという出で立ち。老婆心で思うことは、「わー、寒そう。誰か、コートを着て下さいって、事前に言ってあげれば良かったのに」ということでした。

 でも、これはドレスコードとしてはどちらが正しいんでしょうか。式典ということを考えればコートは脱ぐ物?でも、会場である「鳥の巣」はスタジアムという、屋外のような場所であることを考慮すれば、コート着用もあり?服装にはTPOがあると言うことは良く言われますが、難しい問題だと思いませんか。ただ、もし、もしですよ。自分だったらどうか?あの場所に身を置くのが自分だったならば、答えは一発。絶対に着ます。習氏に習うわけではありませんが、前をしっかりと閉めて。ちなみに、開会式時の気温ですが、NHKアナウンサーが伝えるには、2℃、ということでした。

 

 開会式では選手の入場行進をみるのが好きです。世界にはいろいろな国があるんだなあと思いながら見ています。特に夏のオリンピックでは様々な民族衣装もみられるので、面白さも一際です。その点では冬季五輪は、ほとんどの国が防寒に重きを置いたダウンジャケット的なスタイルで、ちょっと残念なところもあります。

 その中で、あら素敵と思ったのが、イギリスでした。ウールっぽいコートの前を開けて、中のセーターを見せる着こなしなのですが、そのセーターが素敵なの!イギリス国旗の模様なのです。さすが、ウールの国、ウットリしました。加えて、コートの前を開けていても全然だらしなく見えないのです。さすが、ジェントルマンの国!(このイメージも古いですね)。感心しきりだったのです。

 でも、上には上があるものですね。イギリス以上に感心といいますか、度肝を抜かれたのは、アメリカ領サモアの旗手です。どうぞ皆さんも、「サモア 旗手」で検索し、その勇姿をご覧下さい。

 半裸、真冬の北京で半裸。足にはビーチサンダル。ダウンの代わりにまとっているのは筋肉。お婆さん見習いはノックダウンされてしまいました。凄いなあ、伊達の薄着もここに極まれり。ただただ驚かされました。

 でも、その心意気には感嘆するものの、一言だけ言わせて下さい。余計なお世話なのは重々承知ですが、本当に差し出口ですが、一言だけ言わせて下さい。これが老婆心という、止むにやまぬものなのですから。

 

 「風邪ひげば、まねよ。(風邪ひかないようにね)」では。