おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

「まん防中」の弘前で②

 昨日の続き、自宅お籠もり中に見つけた「思いがけない楽しみ」のもう一つ、編み物について書きます。

 編み物は、退職してからはずっと継続して楽しんできたので、何を今更とは、自分でも思っています。でも、本当に思いがけない楽しみを発見し、ちょっと興奮したぐらいなのです。

 まず、九日間で完成したカーディガンをご覧下さい。オープンタイプなので、これで完成です。

 

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 基になった編み図にあった面倒な模様編みは一切無しにして、着丈を伸ばし、七分袖デザインを長袖にしました。しかも使用した毛糸は、大昔のほどいた毛糸と新しく買った毛糸との引きそろえなので、正真正銘、世界で一枚だけのオリジナル品ということになるかと思います。

 この、オリジナルの形に変えたという点が、今までの私にはなかったチャレンジで、出来上がりが大いに楽しみだったのですが、でも出来上がりが楽しみなのはいつもと言えばいつもの事なのです。

 では、何が興奮するほどの楽しみだったかと言いますと、新しい編み方(フランス式)に挑戦したという事です。

 二本の編み針を使う棒針編みにはいくつかの方法があるのですが、アメリカ式とフランス式というのが二大編み方のようです。ざっくり説明しますと、

 アメリカ式  毛糸を右手に持つ方法。昔はこの方法が一般的だったので、親から習ったと言う人はこのタイプが多い。編み目は揃いやすく比較的綺麗に編めるが、時間がかかる。

 フランス式  毛糸を左手に持つ方法。今は圧倒的にこの方法が主流。ネットで編み物を覚えた層はこちらのタイプ。編み目は緩めになりやすいが、とにかく速く編める。

 

 もうお分りかと思いますが、私はアメリカ式です。自分でも「遅いなあ」という自覚はありましたが、今更フランス式への転向は無理だろうと諦めていました。それに表編み(という編み方)はともかく、裏編み(という編み方)は編み目が綺麗に揃わないという声も聞いていたので、「ゆっくりアメリカ式でいいか」と開きなおることにしていました。

 ちょっと前の拙ブログで紹介しましたが、前回取り組んだのはアランセーターという複雑な模様のあるものでした。編み図と首っ引きで編み進める作業はちょっと食傷気味だったので、今回はただひたすら表編みと裏編みを繰り返すだけの単純なものにしようと思いました。

 手持ちの糸を工夫して引きそろえで試し編みしたところ、とても気に入った色合いになったので、張り切って編み初めました。しばらくはいつものアメリカ式で編んでいました。ところが、休憩でYoutubeをみていたら、とても分かりやすいフランス式のやり方が紹介されていたのです。

 「やってみよう!」

 深い考えもなく試してみました。有り余る時間で挑戦してみたのです。

 あれっ、出来る気がする。取り敢えずゆっくりゆっくり、針と慣れない左人差し指を動かしていくと段々コツが飲み込めていくのです。表編みは出来る。そう確信しました。でも、裏編みはだめ、出来ないという結論です。よし、どうせフランス式の裏編みを綺麗に編むのは難しいということだし、裏編みはアメリカ式の二刀流で行こう、そう決心しました。

 表編みはフランス式。速い速い。しかもドンドン上達していくのが分かるのです。裏編みはアメリカ式。慣れ親しんだやり方でストレスフリー。もう面白くて面白くて、「編み物・ハイ」とも言うべき状態で延々と編み続け、九日という、(私にとっては)信じられないスピードで写真のカーディガンが完成したのです。「まん防」の賜です。

 早速試着したところ、サイズもピッタリ。いいね、いいね、鏡に映る姿に満足したものの、ふと思いついたのです。前を閉じられるようにしよう、と。そのためには、アレだ!と。

  アレって、何?ほら、アレ、チャイナ服についているアレ。

 ネットで調べたところ、「チャイナボタン」というものだと判明。しかも、Youtubeでは作り方まで教えてくれるのです。「編み物・ハイ」のままにチャイナボタンも作りました。脳内で、

 「ユー、作っちゃいなヨー」という謎の声が聞こえた気がします。

 そして半日かけて縫い付けました。「付けちゃいなヨー」という声もしたのです。

 こちらがチャイナボタンがついたです。

 

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 ますます世界で一枚だけのオリジナルとなりました。

 

 編み物は、完成をめざして地道に針を動かすだけでも楽しいのですが、今回のように新しい方法にチャレンジするのは、また違った面白さがありました。

 ブランクがありながらも長い間続けている編み物ですが、今頃になって新境地を開拓できるなんて。嬉しい驚きです。そして、この経験をもたらしてくれたのは「まん防」だと考えれば、「禍福はあざなえる縄のごとし」です。結局は、雪掻き同様、気持ちの持ちようということかも知れません。

 取り敢えず私の自粛期間は無事に過ぎたのですが、弘前市の「まん防」はまだまだ続きます。一人で籠もる日々が続きますが、気持ちは前向きに、家での生活を心静かに送っていこう、頑張ろうと思っているところです。では。