今回の八幡平日帰り旅行は、新しい知識(その場で知ったものもあれば、帰宅して調べたものもあり)との出会いに恵まれました。それをこうしてブログに書いているわけで、一粒で何度も美味しい思いをしているのです。
八幡平ビジターセンターの後方に控える山を登っていきますと、ほどなく「泥火山」という観光名所に行き当たります。
あちらこちらで泥が吹き上がります。有明海のムツゴロウが飛び跳ねる様子に似ています。「泥火山」の仕組みについては、ビジターセンターに説明書きがありました。
「火山はマグマを噴き出すけど泥火山は泥とガスと水蒸気を吹き出すんだね!」と、最後の一文はカジュアルにまとめていますが、凄い事ですよね。地球内部の激しい活動の結果が目の前に現れているのですから。
そういう激しい活動が地震という恐ろしい現象をもたらす事もあるわけですが、一方では温泉などの恵みも与えてくれるわけです。
実際、私達が車で走った「八幡平アスピーテライン」沿いにも、たくさんの温泉の看板が建っていました。車中にも漂う硫黄の匂いを嗅ぎながら、いつか泊まりがけで訪れてみたい、そんな事を考えました。そして、もう一つ考えた事は、
「アスピーテって、聞いたことがある気がする。なんだったっけ?」
ということです。気になったので、帰宅して調べてみました。そして、面白い事を知ったのです。
アスピーテとは、火山の形状による分類の名称で、日本語では「盾状火山」というそうです。流れやすい溶岩が広がったために高さのない、まるで武器の盾を伏せたような形状である、という意味です。八幡平はその代表のような山なわけで、その名を冠した道路まであるほどなのです。
ちなみに、富士山は流れにくい溶岩が厚くたまったコニーデ(成層火山)、昭和新山は固まった溶岩が押し出されたトロイデ(鐘状(しょうじょう)火山)と言うそうです。
そして、面白いのはここからで、最近の研究では、八幡平はもともと「成層火山」であったものが、浸食によってあのような形状になったという説が有力になってきたという事でした。
流動性の高い玄武岩質の溶岩が積み重なった、傾斜のゆるい火山体。そのため、通常は面積が広い。日本でこれまで「アスピーテ」とされてきた火山は、成層火山が侵食によって平坦になったり、もともと平坦であった場所に小規模な溶岩流が重なったりしたものであり、楯状火山ではない。 Wikipediaより
この説がすでに定説となっているのか、議論の余地のあるものなか、そこまではちょっと分からないのですが、それまで疑いもしなかったことが実は違っていたということは、往々にしてあるものです。動かないものの代表の様な「大地」でさえ、時に激しく揺れ動くのですから。そして、それ以上に動くものは人の心です。
それまで「アスピーテ」と習い、聞かされ、信じていたものが実は違っていた、そのショックはかなり大きいかも。「道路の名前はどうしよう」、悩むでしょうね。盾状火山ではないのにアスピーテライン、真に矛盾。
自分には関係の無いことなのですが、気になりました。続く。