おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

7月2日の目の付け所

 以前拙ブログで、私は「目の付け所がシャークでしょ」と書いたことがあります。

chokoreitodaisuki.hatenablog.com

「目の付け所がシャーク」とは、つまりは獲物を狙うような目で物事を見ていると言うことなのかも知れません。

 

 7月2日、弘前市立博物館に『月岡芳年展』を見に行きました。

 浮世絵好きというわけではないのです。なぜなら、浮世絵は「一点もの」ではないから。「一点もの」に弱いのは、これは私に限った事では無く、人間の性(さが)と言う物ではないでしょうか。

 でも、浮世絵を見るのは楽しいです。そこには「一コマ漫画」に通じる楽しさがあります。浮世絵にはテーマがあって、それは同時代人なら誰もが知っているスキャンダルであったり、また、古来から人口に膾炙した物語であったり、つまり、ストーリーと絵が一体となった面白さがあるのです。

 ところが、悲しいかな。昔の人にとっては常識であった豪傑や英雄・悪漢の伝説的物語も、私は良くわからないのです。そのため、絵に添えられた説明文をいつも以上に丁寧に読まなければならず、浮世絵観賞は時間のかかること、疲れること、並々ならぬものがあるのです。

 そんな中、今回一番心に残ったと言いますか、目についた作品は、『魁題百撰相 駒木根八兵衛』という、一人の武士が真っ正面に銃を構えているという図でした。絵の前に立った瞬間、「狙われた」という気がしました。駒木根八兵衛の目と銃口が、真っ直ぐに私を狙っていたのです。そして、面白いことに、私が右にずれても左にずれても、常に狙いは私なのです。

 

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 この、「瞳の入れ方でどこに立っても見られているように感じる」絵というのは珍しくないでしょうが(八方にらみの龍とかありますね)、この絵は眼光の鋭さと銃口の迫力で、「やられた、逃げられない」という感じが凄かったのです。帰りに絵はがきを買ってしまいました。でも、困っています。どこに飾ったらいいのでしょう?いつも狙われているんですよ。刺客に死角無し状態で。

 

 そんな事を考えながら家路についたとき、土手町という通りで一枚の看板が目につきました。

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 どうという事もない看板です。でも、私のアンテナに引っかかるものがありました。「くるまずし にかいでえいぎょう しています」

 わ~、俳句になってる~。「寿司」は夏の季語なのです。(厳密には「車寿司」という店名なので、季語にはならないのでしょうが)

 

 今日はちょっと面白い発見があったなあ、そう思いながら、夜、テレビをみていました。金曜夜はNHKの『チコちゃんに叱られる』です。その中で、番組スタッフが青森県の「キリストの墓」を訪ねるという企画がありました。青森県新郷村には「キリストの墓」があるというのは大変有名で、テレビのヴァラエティ番組でも取り上げられているので、ご存じの方も多いかと思います。そのお墓とされる場所の近くだったと思うのですが、小さな建物が目に入りました。売店のようです。そこの窓に貼られたお店のロゴマーク、私の目は釘付けになりました。『キリストっぷ』と読めたのです。そして、そのマークのデザインと来たら・・・。

 

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 すぐにネットで調べたところ、二年ほど前に、『踊る!さんま御殿!!』という番組で紹介された、大変有名なお店ということでした。

 十字架に因んで、開くのは十字架ら。

 そして、ネット情報によりますと、店名は「キリスト」と「足を止めて欲しい=ストップ」を足して「キリストっぷ」。ロゴは『キリストの里伝承館』とお墓を図案化したもので、どちらも某コンビニチェーンに似てしまったのは、偶然ということでした。

 いや~、偶然ってあるものですよね。私は信じます。だって私自身、同じ日に、浮世絵に見つめられ、看板に目を止め、テレビ番組のワンシーンに目をつけるという偶然の重なりを体験しているのですから。加えて言うなら、キリストップのオーナーも私も、かなり苦しい事を言っているという偶然の重なりもあるのです。

 

 如何だったでしょうか。これが鮫のような目で日常を送る私の一日です。これはこれで私としては「楽しい日常」なのですから、どうぞ読者の皆さんも冷めた目で見たりなさらず、一緒に楽しんで頂けたらと思います。では。