おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

行きは良い良い帰りは恐い

 昨日(27日、日曜日)、所属する山の会で白地山(しろじやま  1034m、十和田湖の外輪山の一つ)に登りました。

  登山口の標高がすでに800mなので、登りはそれほどきつくないのですが、距離が長い!ダラダラとしたアップダウンが延々続くのです。ゆったりペースとは言え、頂上まで4時間と聞けば、なかなかの行程でしょう?

 実は、今年度から私は登山秘密兵器を使っているのです。それはトレッキングポール、登山用の杖です。秘密でも何でもありませんね。これが素晴らしい!脚への負担が格段に減るのです。はっきりと実感するのですよ。今回私が頂上まで行けたのも、ひとえにこのポールのお陰です。杖はつえ~味方なのです。

 長い登りでしたが、山野草や時々ご褒美のように姿を表わす十和田湖の眺めに喜びながら、楽しさ100%。さすがに頂上を目前にした休憩地(十和田湖の眺めが素晴らしい)ではバテバテ気味でしたが、その後、目の前に広がった湿原を見た瞬間、文字通り、疲れは吹き飛びましたね。毎回感じる「来て良かった~」の瞬間です。

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登りの途中で見える十和田湖。右は湿原の木道を行くメンバー達
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左は奇跡の出来映え、ギンリョウソウ。右はイオウゴケ(地衣類)。

 頂上で昼食をとり、下山となるのですが、ちょっと嫌な感じがありました。それは膝の痛み。特に左膝が痛むのです。ヒネったとか打ったとかではなく、いつもなら下りの終盤で感じる、「酷使した感」の痛みなのです。まずいなあ、これから3時間歩くのに大丈夫だろうか。

 痛みは段々、段々増してきて、時々はズキンとするような疼痛も来るようになりました。

 「どうしよう、こんな森ではドクターヘリも来られないし、こんな細い登山道ではおんぶも出来ないだろう。何時間かかろうとも、自力で下りるしかない。大変な迷惑をかけてしまう」とか。

 「ただの筋肉痛じゃなくて、いわゆる”膝をやっちまった”だったらどうしよう。もう登山は出来なくなるかも」とか。

 思考は悪い方へ悪い方へと傾いて行きます。周りの景色を見る余裕もなく、ひたすら足元を見つめ、考えまいと思っても「痛み」に神経を尖らせてしまうのです。そんな中、やっぱり頼りになったのが杖でした。急なデコボコを大股で登るとき、逆に下りるとき、杖に体重を預けて痛い膝を庇うことが出来たのでした。杖はまさに、心の支えでもありました。

 休憩で、少しでも痛みがとれればと膝をマッサージしていると、「大丈夫?」と心配して下さる方が二、三名ありました。そして、皆さん口々に「膝のサポーターを使った方がいいよ」とおっしゃるのです。「全然違うよ」と。

 そうかあ、秘密兵器はまだまだあるのね。今までは膝痛と言っても軽微なもので済んだけれど、今回の件で学びました。膝サポーター、買わなくっちゃ。

 山という、世俗から最も離れた場所に身を置きながらも、物欲とは果て無きものでありますよ。

 さて、結果から言いますと、どうにか一行から遅れること無く無事下山することが出来たのでした。下山中は列の真ん中当たりを歩いていたのですが、最後の最後、石段が続く所になって、左膝が限界に。どんどん追い越してもらって、私は右足を下ろした後、左は曲げずに円を描く様に横から下ろす、それをゆっくり繰り返して下りて行きます。サポートしてくれたリーダーさん達から、やっぱり膝サポーターを勧められました。そうね、60年使い続けた二つの膝、そしてこれからも使い続けたい膝。大事にしなければと、改めて思いました。

 明けて今日、塗り薬の効き目もあったのか、痛みは格段に軽くなりました。どうやらただの「使いすぎの痛み」だったようです。とりあえず一安心。

 でも油断は禁物。次の登山までには、膝サポーターは準備しておきたいと思います。転ばぬ先の杖ならぬサポーター、ですね。

 きっと、今回のことは膝からの、「サポーターが必要だ」という警告、つまり、kneesのneedsのお知らせだったのでしょう。

 思わず膝を打ったのでした。では。