6月10日のテレビ番組『プレバト』で、俳句の永世名人・梅沢富美男氏が披露した俳句がこちらです。
紫陽花の蒼きはぜるや雨しとど 梅沢富美男
今日はこの俳句で使われた「蒼」という色名について、つらつら書いていきたいと思います。
皆さんはこの「蒼(あお)」とは、どの様な「あお」だとお思いでしたか?あるいは、一般的な「青」とはどう違うとお感じになっていたでしょうか。
私は特に深く考えることも無く、「蒼」は「青」より深い感じ?ダークな感じ?「蒼」に対してそんな青色をイメージしていました。「群青色」に近いような感じです。
ところが、今回何となく気になってネットで調べたところ、「蒼」は「草の青さ」また「草が青く茂る様子」を指し、緑がかった青緑に近い色を表すのだと言うことを知ったのです。ビックリ~、私が勝手に思い込んでたのと、全然違うんですけど~!
そうなりますと、紫陽花の花の色ですが、梅沢名人がご覧になった紫陽花は「蒼」だったかもしれませんが、一般的には紫陽花の色は「青」ということになるように思いますが、皆さんは如何思われますでしょうか。
思い起こしてみますと、私と「蒼」という色名との確実な出会いは、1981年に出版された、このタイトルだったように思います。
当時は実物(書籍)を見たことはなく、今回初めて目にしたのですが、確かに「緑がかった青色」の表紙ですね。もしも、出版された時点でちゃんと目にしていれば、勝手な思い込みも生じなかったかもしれません。ところが、私は自分の中で勝手にイメージを作り上げてしまったので、蒼=深く暗い青、という勘違いをし続けてきたわけです。
それにしても、なぜそのような勘違いが生まれたのか。それはきっと、この本の著者である山口百恵さんのイメージが大きかったのだろうと思います。どこか陰のある雰囲気が彼女の魅力でしたからね。私の勘違いも、昭和世代の読者には頷いて頂けるかと思うのですが、どうでしょうか。
さて、問題は、40年間「蒼」とは「深く暗い青」、というイメージを持ち続けてきた私が、それを「青緑に近い色」に修正できるかどうかです。美しく色を変える紫陽花のように上手に出来ればいいのですが、何しろすっかり頭が固くなってしまっているので。自信がないのです。
ちなみに、「蒼蒼」とは老いたさまを言うそうですが、古色蒼然たる見た目通り、頭の働きも、鬱蒼たる森にでも迷い込んだかのように頼りなく、顔面蒼白たる有様なのです・・・。では。