おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

故ダイアナ元妃の帽子

 冬の間、外出の際には帽子を愛用していました。帽子は防寒に役立つという、家庭科で習うような知識は当たり前に持っていました。が、ここに来て、それを実感として感じるようになりました。

 「年取ったら、頭が寒くて。お年寄りが帽子を被るのが分かったわ~」と何人もの友人達も口にしています。

 もう一つ。帽子は寝癖隠しにもなるのです。ちょっと出かけるのに髪を整えるのが面倒な時ってあるでしょう?(出かける予定が無いときはボサボサ頭で過ごしていたりするでしょう?「みんなそうだよ」、そうでしょう?そう言って)

 どんな髪の状態だって、帽子さえ被ってしまえば一件落着、便利なことこの上なしなのです。

 

 春になって、今度は日焼け防止のために被るようになりました。特に、自転車で出かけるときには風に飛ばされないよう、頭にきつくフィットする専用の帽子を愛用しているのです。出かけて、用事を済ませてサッサと帰って来るだけなら問題ないのですが、ランチやその他、帽子をとらなくてはならない場面があると、これがですね、非常に困ってしまうのですよ。せっかくドライヤーを駆使して膨らみをつけた髪がペチャンコ、一気に年をとってしまう感じなのです。

 

 さて、いきなり昔の話です。

 1986年、ダイアナ元妃、当時はダイアナ妃、が来日されました。その当時、週刊誌か何かで読んだ記事の事を、私の記憶だよりで書きたいと思います。ググっても見つけることが出来なかったので。

 確か、京都のお寺だったと思うのですが、建物全体だったか、そのお部屋だったかが国宝に指定されていたのです。そこで、帽子のツバが何かに当たっては困るので、帽子をとって下さるよう妃にお願いしたそうです。ところが、妃は「女性の帽子はどのような場であっても、とらなくてもいいというのがマナーだ」と強く抵抗したという内容の記事でした。結局帽子をとったかとらなかったのか、そこは私の記憶に無いのです。が、今回、たまたま目にしたネットの画像に、室内で帽子をとられている写真があったので、恐らく妃が折れたのではないかと思われます。

 確かに、西洋マナーの解説などを目にする機会があると、「女性のファッションは帽子を含めてトータルでコーディネートしているものなので、帽子をとる必要はない」とあったりします。私も実際に海外旅行先で(どこだったかは忘れました)、「男性は帽子をとって下さい。女性はオッケーです」と言われたことがあります。

 ファッションは、それこそ頭の天辺から足の先まで、トータルで考えるものだというのは理解できます。靴に関しては西洋ではそもそも「脱ぐ」という発想さえないわけです。でも、郷に入っては郷に従え、靴を脱いで上がった場所であれば、帽子だってとったらいいんじゃないの、そんな風に思った気がします。当時の何かにつけ無頓着であった私は。ところが今頃になって、私は帽子をとりたくなかったダイアナ妃のお気持ち、痛いほど分かる気がするのです。

 妃のトレードマークともいうべき、レーヤードカットを思いっきり膨らませたゴージャスなブロンドヘア。もしも、あの髪が帽子の下でペチャンコになっていたとしたら。しかも、それをバチバチっと写真に撮られて、世界中に配信されるとしたら。必死に抵抗されるお気持ち、よーく分かります。今なら妃を応援しますね、大声でツバを飛ばしながら。帽子だけに。

 

 話は変わりますが、このブログを書くためにネットで調べ物をしたと上に書きましたが、そのお陰でもう一つ、面白いニュースを知ることが出来たのです。

 

 日本の国会では、帽子の着用は「品位や礼節を欠く」として、認められていないのだそうです。そのたった一人の例外が、国賓として招かれ式典としての国会に出席したダイアナ妃だったそうです。2019年までは。

 2020年2月12日、参議院で「水産資源の管理と保護について」参考人として意見を述べたのが、さかなクンさんでした。彼の参議院出席に際しては、あの帽子の着用が認められるか審議され、全会一致で「可」とされたのだそうです。

 まさに、ギョギョ!ウオーっと声が出そうになったニュースなのでした。では。