新年早々、ずっと心に重しを抱えていました。手放すためには行動するしか無いとは分かっていましたが、どうにも面倒で、伸ばし伸ばしにして一ヶ月が経ってしまいました。そして今日、お天気の良さに背中を押され、私はついに立ち上がったのです。
事の起こりは年末年始の大寒波。我が家は断熱が割といいので、水道は元栓を締めなくても凍結の心配はないのです。が、一カ所。滅多に使わない水道(混合栓)がちょっと寒い場所にあり、さすがに心配になりました。2日に蛇口をひねってみたところ、出ない!凍ってる!とりあえず様子をみることにしました。
寒波が去って暖かい日が続くようになったので、さすがに溶けただろうと再び挑戦。今度はお湯は出るものの、水はチョロチョロとしか出ないのです。考えられることは二つ。
1.最初からそういう状態だったのに気付かなかった
2.凍結のせいでどこかで管が破裂し、漏水している
1なら別にいいのです。今まで通りということですから。問題は2だった場合、春の追加の水道料金が大変な事になってしまいます。
ここを読んで「?」が頭に浮かんだ方は雪の無い地方の方ですね。雪国では、冬の間、水道メーターが雪の下に埋もれてしまい計量が出来ないのです。そのため、冬期間の上下水道料金は概算で払い、雪解けの春になったら過不足分を調整するという方式なのです。そして、このことが今回の私にとっても、重要な問題となったのです。
漏水しているかどうかは素人でも簡単に調べることができる、という知識はありました。確か、水道の量水器(メーター)に、水道を使っているとクルクル回るところがあって、使っていないのにクルクルしていれば即ち漏水という仕組みだったはず。問題はその量水器が深い雪の下に埋まっており、しかも、どの辺だったかボンヤリとしか記憶に無いと言うことです。
でも。
今日の私は偉い!暖かな日差しも応援してくれるかのようです。
だいたいの目星をつけたあたりを、量水器を目標にスコップで掘り進みました。腰を痛めないよう慎重に作業します。頭には色々な妄想が浮かびます。
『金を探して掘るときはこんな気持ちかな』とか。『映画で自分の墓穴を自分で掘らされるシーンとかあるよね』とか。あるいは、『シベリアに抑留された人達はこんな作業を厳寒の中やらされたんだろうな』とか。
想像力が豊かなのは、こういった単純作業を飽きずにやる助けにはなりますが、いかんせん体力不足は否めません。しかも、この辺だろうと当てずっぽうに掘ったあたりはどうやら違ったようで、影も形も見えてこないのです。
休憩を兼ねて作戦変更。素晴らしいことを思いついたのです。
グーグルストリート!
量水器という物は道路に近いところに設置される物ですよね。もしかしたら、グーグルストリートでみられるかも知れない!
そして、予想は大当たり。映っていたのです。しかも、ブロック塀を頼りに、位置の見当も付きました。早速作業再開です。
左の写真は道路に立ってうつしています。量水器の左側や手前は、当てずっぽうで無駄に掘り起こした箇所です。量水器の上にあった雪で少し埋め戻されていますが、コンクリートが見えるまで掘ったんですよ。
↓ 量水器の中のメーターです。
アップにしました。Hの上の[パイロット]がクルクルしていれば漏水しているということになるのだそうですが、クルクルって、どんな感じ?みてすぐに分かるものなの?そこで、今度はYoutubeです。「漏水 パイロット」で検索するとすぐにヒットしました。さすが水も漏らさぬYoutube!
「わー、回ってる~。中の赤いボタンだけじゃなくて、銀色のダイヤルごと回るのね~。良かった~、ウチのは回ってない。漏水してなかった~」
でも、念には念を入れ。パイロットが故障している可能性もあります。そこで、一カ所水道を出しっぱなしにして、もう一度量水器を開けて見てみました。
回ってる、回ってる、ホントに凄い速さで回ってる。自分でも不思議なほど興奮しました。ああ、本当に良かった。漏水だった場合の大変な作業を免れたことも嬉しいのですが、心の重しもとれて本当にすっきりしました。
今回はグーグルストリートとYoutubeという、文明の利器の有り難さを痛感させられました。この二つのお陰で迷い無く作業が出来たわけですが、この「迷い無く」というのは本当に大事ですね。自信・確信をもって作業をすると、テキパキとすすめられるのは勿論ですが、作業自体の楽しさが違います。自信を持つことの大切さはこんなところにもあると感じました。
それにしても、グーグルストリートやYoutubeを思いついたときも興奮はしたのですが、一番は量水器のパイロットがクルクル回っているのを見たときでした。
「一番感動するのはやっぱりリアル」というのは、私がおばさんだから?それとも、それが人間というもの?
いずれにしろ、雪に膝をついて、量水器を顔をつっこまんばかりにのぞき込んでいるおばさんの姿は、およそ文明人とはかけ離れたものだったろうと思います。全く、水も滴る美女が台無し、汗でビジョビジョのお猿のようだったのでした。では。