おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

不機嫌には二種類あると思われ

 人の「不機嫌」というものについて、私の考えを述べたいと思います。科学的な根拠とかデータなどのない、単なる「私が59年生きてきてわかったこと」です。お時間のある方はお付き合い下さい。

 

 不機嫌には二種類あると思います。

 一つ目は「生理的不機嫌」と勝手に名付けます。恐らくホルモンの影響なのでしょう。寝起きとか、睡眠不足・空腹とか、生理・更年期とか。そういう原因で不機嫌な人は、「他人と関わりたくない」という精神状態にあると思うので、回りとしては「放置」しておくのが一番いいと思います。原因が解消されればケロッと、いつもの状態に勝手に戻ると思われます。

 

 二つ目は「武器としての不機嫌」と名付けることにします。こちらが厄介なんですよ。

 まず、「生理的不機嫌」と違って、不機嫌を見せつけるための他人を必要とします。それも、誰彼構わず不機嫌な顔を見せるのではなく、ちゃんと相手を選ぶので質が悪いです。

 こちらの不機嫌の原因としては「不愉快」ということがあげられます。そして、不愉快の根底には「怒り」があるのです。

 誰か(それは目の前の相手かも知れないし別な誰かかも知れません)が自分を不愉快にさせた。とても頭にくることを、その誰かに言われるかされるかした。仕返しをしてやりたい。人によっては積極的な攻撃に出ることもあるでしょう。

 ところが中には、自分では何もせずとも実に効果的な攻撃方法を身につけている人が存在します。その方法が「不機嫌」なのです。

 仏頂面で全身から「不機嫌オーラ」を発する。そのくせ一人になりたい風でもなく。見かねた周りの人間(家族・友人・気のいい同僚など)が、ついあれこれと機嫌をとってしまいます。あるいは、「私のせいで不機嫌なの?」と、心当たりの人物がオドオドと顔色をうかがってたりして。

 そう、この、周りの人間に「気を遣わせる」のが不機嫌人間の勝利で有り、そのための武器として「不機嫌」を使っているのです。

 そんな彼ら彼女らは、恐らく幼児の頃にその術を身につけたのでしょう。ふくれっ面でいればお菓子やおもちゃが与えられ、ふてくされてみせると、周りの大人が「ほらほら」と機嫌をとってくれる。そうやって「不機嫌」を見せつけることに味を占め、日々その技を磨いてきたのでしょう。

 その技の鍛錬の中には、「攻撃の効く相手を見極めること」が、重要課題として含まれます。「不機嫌」は積極的に相手を攻撃する武器ではないので、効かない相手には全く無力です。人の顔色をついつい伺ってしまうような、あるいは「私が悪いのだろうか」と悩んでしまうような、そういう相手でなければ意味のない攻撃になってしまいます。上に、「ちゃんと相手を選んでいる」と書いたのはこのことです。

 では、このような武器として「不機嫌」を繰り出してくる人が身近にいた場合、どのような対処方法が有効でしょうか。

 

 私はこう思います。一番重要なのは、「これは戦いだ、負けられない」と、気持ちを強く持つことだと。相手はあなたをなめ切って、不機嫌オーラ全開でいます。

 「俺(私)は、怒っているぞ。さあ、オロオロしろ。俺(私)が満足して機嫌を直してもいいと思うまで言葉を尽くせ。ビクビクと顔色を伺い続けろ」と、こんな風に思っているんですよ。

 でも、悲しいかな、あなたには「相手の顔色伺い癖」がついています。そして、相手はそれを見抜いています。厳しい戦いです。でも、戦わなければ勝利はなく、勝利しない限り、ことあるごとに相手の「不機嫌攻撃」にさらされるのです。

 「戦いなのだ」「負けてたまるか」、そういう心の準備が出来たなら、第二段階は「視界に入れない」ことです。不機嫌な人は恐いです。だって、私を攻撃する意図がある人なのですから。

 そして、おうおうにして人は恐いもの見たさで、見てしまうんですよ、相手を。見ない、見ない。見てはいけないのです。なぜなら、見る=顔色を気にしている、ということになり、相手の思うつぼなのですから。

 別な場所に行くなり、普段だったらやらないような片付けに精を出すとか。とにかく相手を視野に入れない工夫をしましょう。こちらからの働きかけはしないことです。

 

 「これは戦いだ」と勇ましく書きましたが、今、私に言えるのは、この第二段階の方法までです。でも、このトレーニングを積み重ねていけば、やがては勝利の日がやってくると思うのです。相手の不機嫌が気にならないという勝利の日が。

 もともとこの戦いは相手が勝手に仕掛けてきたもので、受けて立つ義理はないのです。「相手の不機嫌は相手の問題。自分には無関係」、そんな風に割り切って自分の心の平安を乱されない、これ以上の勝利は無いと思います。

 そして、もし、相手の不機嫌=怒りが私に起因するものならば、はっきりと言葉にして伝えて欲しい、そう思うし、それは正当な要求だと思います。だんまりを決め込んで不機嫌オーラで勝とうなんて、子供っぽいにも程があります。私、あなたのママじゃない!そんな風に思うのです。

 何かとままならない世の中、出来るだけ心穏やかに暮らして行きたいのです。では。