2週間前に取りかかった「干し柿作り」が、いよいよ「試食」の時を迎えました。毎日気長に揉み続け、この日が来るのを揉み手をしながら待っていたわけです。
美味しい。でも、干し柿にしては甘さ控えめな感じ。もう少し干した方が糖分が増えるのかな?様子をみよう、とうぶんの間。
それにしても、あの渋い渋い渋柿が干しただけでこんなにも甘くなるなんて、不思議です。ちょっと調べましたら、渋柿のシブはタンニンというのですが、可溶性(唾液に溶ける)だったタンニンが、干すことによって不溶性となるのだそうです。シブが消滅するワケではなく、存在してはいるものの、舌の上で感じなくなるという仕組みなのだそうです。干し柿の黒さの正体は、この不溶性になったタンニンなのです。
Wikipediaによりますと、渋柿は、未熟バナナ、イナゴマメと並び、青果三強渋味成分とされるのだそうです。なんか、カッコ良くないですか?三銃士とか四天王とか、そういうカテゴリーな感じがしますよね。
ところが。そんな青果三強渋味成分を持つ渋柿を、まるで「奴は三強のうちでも最弱」、とでも言いたげにつつき回す、不敵な奴らがいるのです。
我が家の近所に背の高い柿の木がありまして、下の方の枝は収穫されたようですが、上の方には鈴なりに実が生っているのです。それを連日つつきにくるのが「ムクドリ」。
北国の渋柿は木に生ったままシブが抜けることはないとされています。ムクドリは渋柿のままで食べていると思うのですが、どういう仕掛けなんでしょうか。唾液が出なくて、タンニンが溶け出さないんでしょうかね?ムクドリが平気で渋柿を食べる理由は分かりませんが、柿にとっても何かしらメリットがある事なんでしょうね。
※12月15日、訂正記事を書きました。渋柿も甘くなるそうです。
柿の木が鳥につつかれながらもじっと耐えている様は、まるで手の掛かる教え子を見守る先生の様なのです。ほら、「ならぬ堪忍するがタンニン」って諺にもあるじゃないですか。
もっとも、学校の先生の相手は渋柿ではなく悪ガキなんですけれどもね。では。