おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

「顔」なんだよね~、やっぱり「顔」よ、女優は

今週のお題「最近見た映画」

 

 今更ですが、テレビでオードリー=ヘップバーンの映画を2本、立て続けにみました。今まで『ローマの休日』しかみたことが無くて、それで何となく分かったような気分になっていました。はいはい、オードリー=ヘップバーンね、可愛いわよね、ほっそくって。ファッションもステキで、恋愛映画のザ・ヒロインって感じよね。

 最近みた2本というのは、『おしゃれ泥棒』と『パリの恋人』。どちらも恋愛映画、ラブコメっていうやつですね。

 『おしゃれ泥棒』でオードリーの恋のお相手を演じたのは、ピーター=オトォール。この二人が「恋に落ちる」という設定は、当然すぎるほど当然、全世界が納得すると思うのです。その理由は、二人の俳優の顔とスタイル。映画の中のオードリーのセリフに「彼は青い目だったわー(ウットリ)」というのがあるのですが、ピーター=オトォールは知的な二枚目役として申し分ないし、そんな彼が強烈に惹かれる相手として、オードーリーもまた完璧なのです。姿勢が良くて上品なたたずまいもさることながら、オードリーの魅力の第一はキュートさでしょうね。美しい女性、特に女優は掃いて捨てるほどいますが、美しさというものは意外に好みが分かれたりします。それに対して可愛らしさ、キュートさといったものは万人に共通の部分が多い魅力、そんな気がします。映画の中のピーターがオードリーに惹かれるのももっともだし、観客も皆納得の展開なのです。説得力という点で、容姿って本当に大事です。

 その点、『パリの恋人』でどうにも残念なのが、相手役のフレッド=アステアの年齢。おじさん過ぎてオードリーとは釣り合わない感が強く漂うの。二人が並ぶとまるで親子のようで、私の心の中には「これじゃない感」がずっとつかえていました。二人とも歌も踊りもステキだったし(ミュージカル映画です。アステアが踊れるのは当然ですが、オードリ-踊りーも凄い)、ファッションも素晴らしかっただけに残念。

 

 万人受けする魅力としてキュートさというものをあげましたが、かつて、「キュート」と言えばこの人、ラブコメの女王と言われたのがメグ=ライアン。こちらもつい最近、テレビで『めぐり逢えたら』をみました。共演はトム=ハンクス。有名な映画なので期待してみたのに、がっかり。変な映画でした。

 メグ=ライアン演じるヒロインには、共感できる要素はゼロ。婚約者に失礼だろう!もっと真剣に仕事しろ!ストーカーかよ!と叱りたくなる女性なのです。が、そんな彼女に、妻を亡くして立ち直れずにいるトム=ハンクスがほとんど一目惚れ。美人だから。可愛いから。一目惚れってそういうことでしょう。でも、さすがのラブコメの女王であっても、あの変な脚本を無理矢理観客に納得させられるほどの説得力は無かった気がします。

 その点、私が今までに「顔が天才だ!」と思った女優がいます。どうということもない淡々としたお話なのに、なぜかみる者の心の琴線に触れる映画『初恋のきた道』のチャン=ツィイー。あの映画が成立するのは、まさに「この人を得て」こそですね。あの映画の頃のチャン=ツィイーの顔は、「初恋」そのもの。初恋というものを具現化しています。初恋のあらゆる要素を凝縮して人の皮を被せたのが、あの顔です。

 綺麗だなあ、可愛いなあと思った女優さんは枚挙にいとまが有りません。女優という仕事では「顔」も才能のうちと思いますが、「顔が天才」とまで思ったのは、今のところ『初恋のきた道』のチャン=ツィイーだけです。ご覧になったことが無い方は是非。ハンカチやティッシュペーパーの準備を忘れずに。では。

初恋のきた道 (字幕版)