おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

トイレ考

 人々はトイレットペーパーの買いだめに躍起となっているらしい。そのため、各店舗で売り切れが続出してしまい、混乱がさらなる混乱を呼ぶという事態になっているのだそうだ。「大丈夫、トイレットペーパーは十分に供給されます」とニュースは訴えていた。

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 非常に不謹慎な感想なのですが、このニュース映像をみて「懐かしい~」と思ってしまったのです。1973年の第一次オイルショックを思い出しました。

 そう言えば、タイムリーな事に昨夜放送されたNHK総合『チコちゃんに叱られる』では、「石油って、何?」という問題がとりあげられていたっけ。

 番組でも紹介されていましたが、昔(私たちが子供だった頃)、石油はあと30年でなくなると言われていたものです。でも、いつまでたってもあと30年。一向に掘り尽くされる気配がありません。それどころか、探査や掘削の技術の進歩により、いつの間にか世界一の産油国アメリカになっていたりして。お株を奪われたアラブの人々は荒ぶる気持ちにもなるでしょう。

 

 昔の話をすれば、水洗トイレ登場以前は、トイレで使用後の紙は下に落とし、やがてバキュームカーで運ばれていくものでした。なので、紙であればなんでも良かったわけです。

 ところが、今日の水洗トイレですよ。使用する「紙」に対して、水に溶けることを絶対条件とし、しかも溶ける前にはお役目を果たすに足る耐久性を求めるわけです。ちょっと代用品が思いつきませんね。他の何をおいても、人々がトイレットペーパー確保に走りたくなる気持ち、わかります。都市生活の脆弱性って、こういうところにも表れるんですね。

 

 人間って、不思議ですね。

 地球の地下深くから石油を掘り出し、それを使って様々な製品を作り出し、驚くほど便利で快適な生活を実現する知性を持つ一方、噂に踊らされて右往左往し、文字通り「自分で自分のお尻も拭けない」状態にもなったり。

 

 まず、落ち着こう。落ち着いて考えよう。

 昔から「三上(さんじょう)」すなわち、馬上(ばじょう)・枕上(ちんじょう)・厠上(しじょう)といって、馬に乗っているとき、寝床に入っているとき、そしてトイレに入っているときには、良く考えがまとまるとされています。大丈夫、トイレットペーパーはなくならないから。最悪、「洗って」済ませることだって出来るのだもの。

 

 重ねて自分に言い聞かせたいと思います。落ち着け、座って考えろ、と。では。