引き続き銀山温泉を写真でレポートしていきます。
昨日の記事中で写真を二枚並べでご覧頂いたのは、画面構成上の都合ですが、今日は「二枚一組で一つのテーマ」として、ご覧頂きたいと思います。
街の真ん中を流れる銀山川。10分ほど遡りますと「白銀の滝」が轟音を響かせて流れ落ちています。美しくも迫力の眺めです。
本物の滝と鏝絵の滝。鏝絵は旅館永澤平八のものです。先に鏝絵を見たときは「へー」としか思わなかったのですが、本物の「白銀の滝」を見た後では、「まんまだー!」という感想に変わりました。
ああ、この街の人にとって、あの滝は誇りであり自慢の滝!津軽人にとっての岩木山のような、故・ジャニー喜多川氏にとってのタッキーのような、そんな存在なのだなと思いました。
滝の対岸から坂道を登り、ぐるっと一周して滝の上を通って下りてくるという、ごく軽いハイキングが出来ました。
左はその途中、山の中で見つけた初めて見る草の実です。友人も初めて見ると言っていました。帰宅後ネットで調べ、「ツルリンドウ(蔓竜胆)」と判明しました。回りにはうっすらと雪も残っており、赤紫の実が一層の鮮やかさでした。
右の鏝絵は藤屋(旅館)のもの。藤屋の「藤」を図案化したんでしょうね。お洒落ですね。「大正」って「大正ロマン」って言われるだけありますね。
ツルリンドウから藤へ。どちらも「つる性植物」ということで、芋づる式に連想が浮かびました。
テーマは、『滅び行くもの二題』です。
なんて、タイトルは大げさですがどちらもどうということは無い写真です。
左は観光客が作ったと思しき、恐らく雪だるま?と、多分、山?どちらもかなり溶けていて、元の形がどの程度の完成度だったのかは不明です。「気温」という自然には勝てない・・・。
右は、「こうもり穴」と名付けられた岩穴でして、実際に飛んでいるコウモリを目撃しました。「もり穴」と書かれた石柱が立っていますが、上部がポッキリと折れているのです。岩の上に横たわった「こう」と書かれた石柱が見えますでしょうか?この石柱は何に負けたのでしょうか。自然?時の流れ?
「形ある物はいつか壊れる」、そういう事ですよねえ。
テーマは『滅ぼさない』です。
右は「放水銃」という消火設備です。消防車の入ることが出来ない銀山温泉。立ち並ぶ、大正から昭和初期にかけて建てられた木造建築。何より恐いのは「火」です。銀山温泉にはこの放水銃が5基設置されており、その水の勢いは対岸の旅館に届くということです。
自然の力は恐ろしく、しばしば人間を圧倒しますが、それでも知恵を出し合い協力し合い、その脅威に立ち向かって行くのが人間なのだなあと。そんな渋い事を思ったりした銀山温泉の夜です。どうです?いぶし銀の渋さでしょ?続く。