時々ウォーキングをしている弘前市の総合運動公園陸上競技場のぐるり。駐車場に近いあたりに差し掛かると、いつも甘い香りが漂ってくる一帯があるんです。その香りには夏の終わり頃から気づいていて、「何だろう?何か植物の香りだろうか?」と思っていました。が、気にはなりつつもそのままになっていました。
ウォーキングでその場所を通る度に、甘いような、なんとなくコクのあるような、そんな香りを深々と吸い込みます。そしてハッと気づくと、すぐそばに公衆トイレがあってちょっと興ざめしたり、そんな事を繰り返していました。
先日、ちょっとした林の中を散歩する機会があったのですが、その時もやっぱりそのいい香りが漂ってきて、「ああこの香り。運動公園のあの匂いだ。秋の山の匂い。なんだろう?何か木の匂いに違いない」と強く思ったんです。
そして、その次の日、運動公園をウォーキングしていて、例の場所に来ると、それまで全然気がつかなかったのに、葉っぱがまばらになった木の幹にはネームプレートがつけてあり、そこには「カツラ」とありました。
家に帰って早速ネットで調べたところ、大当たり。あの甘い香りはカツラの、特に黄葉したり地面に落ちたりした枯れ葉が放つものだったのです。ネットでは、あの甘い香りをキャラメルのようなとか、お醤油のようなと表現していました。
これからも、運動公園は勿論、山や林であの香りに出会うことがあるでしょう。その度に私は確信を持って「カツラの木だ」と思うと思います。心をワクワクさせながら。
「知る」ということにはやっぱり喜びがあるなあと、改めて思う今年の秋です。ただ、気を付けなければならないのは、例えば「あの人はカツラだ!」というような、口にはしない方がいいような事例もあるわけで、むやみに知識をひけらかさない方がいいといった事も分かってきた、この頃の私です。
昔は良く口で災いを引き起こしたものです・・・。
人生の秋に突入し、実りの季節とすべく、思慮は深く、口は慎むおばさんになりたいものだと強く思うのです。では。