おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

黒石市・黒森山浄仙寺の紅葉 2

 紅葉の見事な、黒石市の黒森山浄仙寺。いよいよ門をくぐります。

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 う~んとですね、素晴らしい眺めだったんですよ。お寺特有の静寂と、すがすがしい空気に包まれて・・・。

 でも、ほら、前回の記事で紹介した「参道」の森があんまり素晴らしくて。あの山の風景と門前の銀杏に持って行かれちゃって(何を?)、ちょっとボルテージが上がりきらなかったんですよね。

 で、紅葉とは関係ないのですが、一番面白かったのは、これです。

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 こちらの鐘は一回百円で衝かせて頂けるんですよ。

 「聞きたいな~、この雰囲気の中でゴォーンっていう鐘のね、聞きたいなあ。誰か衝いてくれないかなあ」

 そう思ってあたりを見渡したのですが、人影はまばらなうえに、私よりもずっとご年配の方ばかりで、「鐘を衝こう」という衝動に駆られそうな方はいらっしゃらない。えい、こうなったら私が衝こうじゃ無いか。そう思ってバッグからお財布を出していると、4、5人のグループが私の後ろに来て、 

 「あらあ。鐘の音、聞きたいわね~。誰か衝かないかしら」

 サービス精神旺盛(お調子者ともいう)な私は振り向いてニッコリと、

 「皆さん鐘をお聞きになりたいでしょう。今から私が衝きますからね」

 ゴォーンオオーンオーン

 もの凄く響く鐘で、衝いた私がなんだか恐縮してしまうような、大変豪華な鐘の音でした。団体さんは、衝き終わった私に口々にお礼を述べられ、皆さん本当に嬉しそうな表情をされていたのです。鐘の音って、御利益のあるものなのかも。冗談半分でそう思った刹那、記憶の底から蘇ってきたフレーズがありました。

 ちょっと不確かな所もあったので、家に帰ってネットで調べたものを載せますね。

 

「免罪符を購入して、コインを箱に入れたとき、そのコインが箱のそこでチャリンという音を立てた瞬間、魂は煉獄から天国へ飛び上がる」

 中世ヨーロッパのキリスト教の教会は、「お金儲け」のために民衆にこのように説いたわけです。これに対して、「おかしいだろう」と異を唱えたのが宗教改革の中心人物・マルティン・ルターです。1517年、ルターは免罪符への疑問等を『95ヶ条の論題』として聖堂の正面に貼り付け、それは瞬く間にヨーロッパ中に広まっていったのでした。

 と、高校で習ったのか、後に本で読むかテレビで観るかしたのか、いつ自分の中の記憶になったのかは定かではないのですが、「コインがチャリンと鳴れば魂が天国へ飛び上がる」というフレーズは妙に心に残ったのでした。そして、それを何十年ぶりかで思い出すという不思議さ!

 

 100円というコイン一枚で、回りを一瞬ハッピーにし、私も楽しかった。免罪符に効き目があるのかどうかは私は判断は出来ませんが、少なくとも私の皮財布には多少の効力はあったようです。

 日頃、節約を心がけている私ではありますが、紅葉の中に響いた美しい鐘の代価と思えば、100円ぐらいはいいでしょう。紅葉の季節とは言え、家計が赤くなるほどの金額でもないのですから。続く。