おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

雛岳で風に吹かれた

 27日(日)、山の仲間と八甲田山系・雛岳に登りました。「山に登った」と言っても、今年の8月から始めたばかりで登山は2回目。

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 なので山の仲間と言っても、初心者は私をいれて2,3名で、他はゼイゼイの私の前をスイスイ登って行かれる方達で、仲間呼ばわりは気が引ける感じなのです。

 

 雛岳は標高1,240m。可愛らしい名前の山ですが、後半の急な斜面はなかなかの傾斜な上に、前日の雨の影響でぬかるんで滑りやすく、難儀しました。ヒナじゃなくて、ひねてる!と思いました。

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 「じゃあ出発」。リーダーの発声にちょっと緊張します。

 出発時点でこの景色。いやが上にも期待が高まりますね。ブナ林は新緑の美しさ、夏のみずみずしさは自分でも知っているつもりでしたが、改めて秋の良さにも気づかされた感じです。ブナの森には独特の「神性」のようなものが漂っている気がします。

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 登山道に入っていくらも行かないうちに、ブナの巨木が迎えてくれます。圧倒的な存在感です。

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 当日は晴れのいいお天気でしたが、苔の胞子が嬉しそうに抱える水滴が昨日の雨を物語っています。もともとブナの森では、足元は落ち葉の堆積でふかふかとした踏み心地なのですが、この日は水分が多く、ズブズブの所もありました。かなり滑ります。

 傾斜もだんだんきつくなってきて、

「家で寝転がってテレビを観ていた方が良かったかも・・・」なんて思い始める頃、

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 こんな景色が眼下に広がるわけです。そして、

 「ああ、来て良かった。頑張ろう。頂上まで頑張ろう」と思い直すわけです。でも、しばらくすると、またちょっと後悔。「私、なんで山なんか登ってるんだろう?」と自問自答したりして。そして、また。↓

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 休憩をとっているとき、左右に広がるブナ林の中を、ゴォーっと一陣の風が吹きすぎました。その時、

 「あっ、今、又三郎が駆け抜けて行った」と思い、ちょっとウットリしてしまいました。山って、ズルいよねえ(笑)

 そして、その山のずるさにまんまと引っかかっているうちに、意外とあっさり頂上に着いたのでした。

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 雛岳山頂より相対す「高田大岳」の勇姿。

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 雛岳山頂のハイマツ等の樹木は、このような姿になります。なぜなら、常に強風にさらされるから。植物の姿を見ただけでも、その強さがお分かり頂けるかと思います。この日も、いいお天気だったにもかかわらず、凄まじい風でした。高田大岳から吹き下ろしてくるのか、沢から吹き上げてくるのか、方向が分からないほどの大風で、まっすぐ立っていられず、後ろに二、三歩後退させられるほどなのです。私は後ずさりながら、声をあげて笑ってしまったのです。得体の知れない嬉しさがこみ上げてきて、アニマル浜口氏のように笑っていました。

 私は、先頭のグループからはちょっと遅れ、後半のグループよりは早く山頂に着きました。山頂は狭いので、写真などを撮ったりした後は順次下山するので、回りには誰もいないはずでした。ところが、いつの間にか後ろに人がいて、

 「大丈夫ですか?」と声をかけられました。

 「あ、いえ、なんだか風が嬉しくて笑ってしまって」

 「ああ、そうなんですか。吹き飛ばされそうで悲鳴なのかと」

 「いえ、大丈夫です。すみません」・・・。

 

 さあ、気を取り直して下山です。続きは明日にしたいと思います。

 今日はダジャレも無しにしておきます。なぜなら、明日の下山編にそなえ、滑らないように気をつけなければならないからです。

 明日もお付き合い下さいね。では。