おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

北国は短い秋

今週のお題「秋の空気」

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 この写真は岩木山の麓で撮影しました。加工無しです。

 青森県には紅葉の名所が何カ所もあるのですが、岩木山は今が見頃です。日本中に紅葉の名所は数多あるとは思いますが、北国の紅葉は寒暖差のために一層鮮やかだと聞いた事があります。ただ、その寒さのために、紅葉の期間は短く、見事に色づいたかと思うと、あっという間に散ってしまうのです・・・。

 岩木山麓には、山桜・はぜ・漆など、真っ赤に紅葉する樹木もたくさんあるのですが、今日は黄葉に目が行きました。写真の並木道も、緑・茶・黄の色合いが光を受けて、美しい秋の一コマとなっていました。

 なぜ今日の私が「こうよう」の王道である「紅葉」ではなく、「黄葉」に目を奪われたかと言いますと、先日東京でみた印象派の絵のようだったからなのです。黄色の葉が風に揺れて光を反射し、白い幹がしっとりと空気をまとう、そんなモネの絵そのままの風景がありました。

 東京でみたのは『コートルド美術館展』だったのですが、私はこの展覧会がテレビで紹介されるまで、ずっと『コートルド美術館』だと思い込んでいました。若い頃に覚えてしまった記憶を書き換えるのは大変で、しっかり意識しないと『コートルド』と出てこないのです。でも、これは私の間違いと言うより、確かに昔の画集などでは、『コートルド美術館』と表記されていたのですよ。理由はきっと、その方が日本人にとって発音しやすかったからではないでしょうか。

 『カルセル麻紀』さんを『カルセル麻紀』と呼び間違えていた人が多かったように。

 

 閑話休題

 以前にも拙ブログで触れたことのある俳人、三橋鷹女の紅葉の句を紹介したいと思います。

 

  この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉  三橋鷹女

 

 夕日を受けて真っ赤に輝く紅葉を見ているうちに、そんな気分になったんでしょうね。確かに、ただでさえ真っ赤な紅葉が夕日に輝けば、この世ならざる美しさと言っても過言ではないでしょう。自然の不思議、神秘を体感すれば、生身の女が鬼となることだって、ありそうな気がしてきます。

 

 秋の日はつるべ落とし。短い秋日を今日、明日と重ねるうちに、北国にはあっという間に冬がやってきます。「秋の空気」を思いっきり吸い込んで、来たるべき冬に備えたいと思います。

 ところで、俳句では「山粧ふ(やまよそおう)」「山粧う(やまよそう)」が秋の季語です。紅葉した山の姿を擬人化したものです。

 秋と言えば食欲の秋。せっかくダイエットに励んでいるのですから、お米の美味しさに負けてご飯を「山(と)よそう」ことのないよう、気を付けたいと思います。では。