おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

腰巻川にカワセミ

 ダイエットと認知症予防を目的に、ウォーキングに励んでいる。つい最近、凄くいい場所を見つけたので、今日も歩いてきた。

 弘前市には『腰巻川』という、ダサいんだか色っぽいんだか分からない名前の川が流れている。その川に沿って遊歩道が整備されていて、特に『総合学習センター』という建物周辺は整備度が高い。犬の散歩OKの公園があり、犬連れの老若男女が歩いている。景色を眺めるほかに、犬とその飼い主を横目で見ながら歩くのも楽しい。いろんな犬がいるが、どれも皆、高そうだ。でも、よく分からない。私は犬を買った事もなければ、飼ったこともないので。

 「なんて言う種類の犬なんだろう?」と、すれ違う犬ごとに思うのだが、残念ながら、私は犬の種類もよく分からない。

 

 今年は雨が少ないせいか、腰巻川の川幅も狭いように思われる。もっとも、例年の腰巻川を知らないので、適当な感想なのだ。そんな事を思いながら目をやった、流れの中の岩の上。真っ青な何かが動いた。

 「カワセミだ!」

f:id:takakotakakosun:20190907220629j:plain Wikipediaより

 ああ、カメラがなくて残念。

 私は犬と同様、鳥もあまり詳しくはない。でも、流石に「カワセミ」の独特な青は見間違いようがない。

 「カワセミだ!カワセミだ!」

 動物でも植物でも、名前が分かると、高揚する。自分と対象との間に絆のようなものが出来る気がするのだと思う。

 すれ違う犬の種類にあまり関心が無いのは、よその飼い犬とは絆が結べないからかもしれない。飼い犬というものは、その飼い主とのみ絆を結ぶものだと思っているから。

 いずれにしろ、名前=言葉を知っているということは、世界がその分だけ広くなるということだ。

 

 美空ひばりの『みだれ髪』という歌の出だしに、

 髪のみだれに 手をやれば

 紅(あか)い蹴出(けだ)しが 風に舞う 

というところがある。

 着物の裾が風に乱れ、着物の下につけた真紅の裾よけが風に舞う・・・。なまめかしくも儚げな、薄幸の女性の姿が目に浮かぶ。「蹴出し」だから成立するのだ。「腰巻き」では話にならないし、「裾よけ」もだめ。豊富な語彙が広く深い詞の世界を可能にする。星野哲朗先生、流石。

 

 腰巻川沿いのウォーキングから美空ひばりまで、川の流れのようにクネクネと書き連ねたが、カワセミの美しさに免じて、ご容赦のほど。では。