おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

下北半島『縫道石山』、登りました

 中高年の登山ブームということが言われて久しいですが、私も興味あります。でも、「登山」と聞くと、縦走とかアイゼンとか、そんな物々しいイメージが浮かぶので、私としては「山登り」という感じでトライしてみたいと思っています。

 

 8月18日。初心者・女性歓迎という山のグループをみつけたので、行って来ました。目的の山は青森県下北半島にある『縫道石山』という、標高626mながらその姿は驚きの岩の峰なのでした。

 

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 あの頂上を目指すなんて。本当に自分に可能なのか。

 登山道を歩きながら不安でした。勿論、ロッククライミングで登るわけはなく、裏側の道を登る事は分かってはいましたが、傾斜が急であろうことは初心者でも想像がつきます・・・。

 

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 倒木のウロから顔を出すカエルやハッとするほど可愛い赤い草の実。こんな風に写真を撮ったりする余裕があったのは最初のうちだけで、傾斜が急になるにつれて吹き出す汗を拭いながら、足元だけをみつめて必死に前の人につていくばかりです。
 「これはちょっとダメかもしれない」

 何度もそう思いました。ロープにつかまっての崖のような急登に至ったとき、限界でした。

 もう一人の、私よりかなり年上と思われる方と列から離れ、一緒に休憩をとりました。サポート役の男性二人が付き添ってくれました。日陰の岩に腰を下ろしていると、たくさんのハエが私にたかってきて、「私、このまま死ぬのかな?」と思いました(笑)。

 具合の悪さの原因は血糖値の低下だったらしく、休憩してお菓子を食べるとだいぶ回復しました。サポートして下さる方の「あと少しで頂上」という声に励まされ、先頭集団にかなり遅れて、なんとか頂上に到達することが出来ました。

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 頂上は、晴れていれば四方に絶景が広がるそうですが、この日はガスが濃く、楽しみにしていた津軽海峡を眺めることは出来ませんでした。時々、ガスがスーッと流れ去る瞬間があり、うっすらと眺めることは出来ましたが。

 

 頂上で皆で記念写真をとり、下りることになりました。私が、

 「えー、私、今登ってきたばっかりなのに、もう下りるの?」というと、皆さん(20数名)笑って下さって、その笑い声がとても暖かく、遅れて迷惑をかけている狭い肩身が広がる思いでした。

 山の人は優しい。

 

 ビックリの収穫もありました。登っている途中、「洟をかむので」と列から脇に寄った方がいて、私もちょうど鼻水が出ていたので、「私もかみます」と並びました。その方がおっしゃるには、

 「運動して体が温まると鼻水が出るのは、冷え性の証拠なんですって。人から言われたの」

 「そうなんですか!私も運動すると鼻水がすごいんですよ。他の人はなんで出ないんだろうって、不思議だったんです」

 「雪かきなんか大変で。合間に何回も洟をかむの」

 「私もデス!」

 運動中の鼻水が冷え性のせいだったとは。嘘か本当かはわかりませんが、妙に説得力があったのは、自分が冷え性だという自覚があるせいです。ずっと冷え性を治したいといろいろ試みてはいますが、肝心の「冷え性が治った」という状態、つまり目標設定が今一つあやふやでした。それが今日の山登りで具体的に決まった気がします。

 「雪かきしても、鼻水を垂らさない体に!」

これを目標に掲げることにしました。

 

 下山中、「俺の人生のような下りの連続だ」と言って、皆を笑わせているおじさんがいました。いつもなら、「楽でいいじゃないですか」と混ぜっ返す私なのですが、流石にこの日は遠慮しました。体力はないくせに、口だけ達者って恥ずかしい・・・。

 無駄口はたたかず、鼻水は垂らさず、そういうふうに年をとっていきたいと、山を下りながら考えたのでした。では。