昨日に続き、藤田記念庭園のあれこれです。一つのものをじっくり見るのも面白いものですが、対比で考えると更に面白さが増す場合があります。
今日は、「コントラストの妙」というテーマで書いていきます。
明と暗
洋館の玄関から外に向かって撮影しました。とてもお天気のいい日だったので、暗い建物内部からみると、外の明るさや爽やかな空気感が際立ちます。
もちろん、ステンドグラスは明暗の差があってこそのステンドグラスです。
無地と柄
玄関を入って正面に暖炉がもうけられています。雪国ならではの気配りですね。大理石のマントルピースが豪華です。


上部と両脇の白い豪華な大理石に目を奪われがちですが、マントルピースを支える土台のような色大理石も凝っています。「ザ・マーブル模様」って感じです。この色大理石がなければ、全体的に迫力に欠けたものになっていたでしょう。
あちらとこちら
庭園入り口の門からの眺めです。借景の岩木山が見えています。日常と非日常を隔てる「境界」です。ここをくぐり、あちらへと参りましょう。この日は一人で訪れたので、無言でくぐりました。
静寂と音
つくばいには、「水琴窟」という仕掛けが施されています。手水鉢からあふれ出た水が、玉石の下に作られた空洞に落下して音を奏でる、という仕組みのものです。
この日は平日で、午後の遅い時間ということもあり、私の他に人影はありませんでした。広い庭園にたった一人。水琴窟を独占して耳を澄ませました。
雨だれのように連続した音が響いたり、フッと音が途絶えた次の瞬間、ひときわ澄み切った高温が響いたりと、変化に富んだ音の連なりは飽きることがありません。しかも、それらの音はいずれも奥ゆかしい繊細さで、「かそけき」とはこういう時に使う言葉なのだろうと思いました。静寂の中にじっと耳を澄まして、やっとつかまえられる音なのです。
手水鉢の前の石に腰を下ろしてじっとしていると、ひっきりなしに聞こえてくるのは小鳥の囀りです。いつもなら耳に楽しい小鳥の声も、この時ばかりは雑音と思えるほどの、かすかなかすかな、水琴窟の調べなのでした。
本能と学習


日本庭園は「池泉回遊式」なので、当然池があります。橋を渡ろうとしている私をめがけて、コイがやって来ました。そう言えば、チケット売り場に「コイのエサ 100円」とあったっけ。ごめんね~、おばちゃん、エサ持ってないのよ~。
人間を見ればエサが貰えると泳ぎ寄る。健気と言えば健気。浅ましいと言えば浅ましいとも。いずれにしろ、コイもちゃんと学習するんですね。
それにしても、デジタルって凄いですね。私のヘタな腕でも、編集によってこんなにハッキリ波紋まで写るなんて。写真の撮影自体は老眼で上達は難しいので、せめてデジタル写真の編集は学習していきたいものだと思います。
さて、エサに飛びつくのがコイの本能なら、ダジャレを言いたいのが私の本能です。行きますよ~!
思いがけず寄ってきたコイ。これが「行きずりのコイ」ってやつですね。でも、既婚者の皆さんは、行きずりのコイが波紋をよぶことが無いよう、するなら水面下で。では。