「なつ」とは、NHKの朝ドラ『なつぞら』で、広瀬すずちゃん演じるヒロインの名前です。
このなつの、「人たらし」っぷりが凄いんですよ。岡田将生君演じる「お兄ちゃん」の「女たらし」っぷりもなかなかで、きっとこの兄妹は、生まれつき人を惹きつける、天性の魅力を持っているのでしょう。そういう人って確かにいます。
加えて、彼らには戦災孤児として焼け野原の東京を生き抜くために身につけた、人たらしのテクニックもあるのです。なつが、サツマイモを持ったおばあさんを目にするや、大急ぎで妹をおんぶしてヨロヨロ歩く演技をしたシーンがありました。作戦はうまくいき、なつは同情したおばあさんからサツマイモを貰うのでした。
こんな世慣れた「なつ」にかかったら、純朴な十勝の百姓なんかイチコロです。特に、なつが多用する必殺技「抱きつき」は効果てきめんです。
「おばさん、ありがとう」と言って、松嶋菜々子に抱きつく。奈々子、イチコロ。
「おじいさん!」と、号泣しながら草刈正雄に。正雄、撃沈。
「とよばあちゃん、私はズルい」と高畑淳子に。敦子、陥落。
そして、「天陽君のお陰、ありがとう」と吉沢亮に。亮、手のひらコロコロ状態。
でも、なんと言っても、私が一番驚いたのが、高校卒業に際して、番長のプロポーズを断ったよっちゃんに、「だ~め、よっちゃんは私のもの~」と言いながら抱きついた時ですね。あざとい、あまりにもあざとい。なんでも手に入れないと気が済まないんだね~。
東京に行ったなつ。早くもその天賦の才と身につけたテクニックの一端を見せ始めました。
「のぶさん、付き合って欲しいところがあるの」
そう言って、幼馴染みの「のぶさん」をおでん屋さんに連れて行くなつ。あなた、「私がおごります」って、贅沢出来る身分じゃないよね。しかも、男は女におごるのが当たり前の昭和で、のぶさんは年上で。おごられる気、満々だよね、万が一、お代を請求された場合は。だから同級生の雪次郎じゃなく、のぶさんなんだね。でも多分大丈夫、お代はいいよって言ってくれると思うけどって、そこまで読んでるね、この子は。なつ、本当に恐ろしい子・・・。どれだけの男を手玉に取るか、先が楽しみになってきました。
えっ、たかがドラマで、そこまで登場人物の裏を読むなんて、お前の方が恐ろしいって?
だって、朝ドラですよ。私は麻雀はしませんが、ドラには裏ドラもあるものなんでしょう?違う?間違ってたら、ごめん。では。