おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

蔦沼写真館 1

 弘前から蔦温泉まで貸し切りバスで向かいました。途中の山と、見え隠れする渓流の眺めが素晴らしくて、心洗われる思いでした。

 若葉が出始めた山の色合いは、明るい黄緑、オレンジ色、濃い緑と様々で、そこにさらに山桜の霞のような淡いピンクが彩りを加えます。渓流は雪解け水で増水して勢いよく流れ下り、のどかな山の風景と好対照をなすのです。ああ美しきかな、日本の春って感じで、私が家にこもっている間に、自然は確実に時を刻んでいるのだと、何だか胸を衝かれるものがありました。

 では、蔦沼周辺の美しい自然を写真でお楽しみ下さい。

 

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「長沼」です。奥に見える山は「赤倉岳」です。

 

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ブナに絡みつく「ヤマブドウ」のつる。からまる、からまる、縦横無尽。

 

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「スミレサイシン」。細心の注意を払って撮ったつもりが、ボケてます。

 

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 「オトメエンゴサク」。微妙な色のバリエーションがみられました。昔、生物の授業で習った「遺伝の法則」をちょっと思い出しました。でも、あやふや。どなたか援護策を。

 

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「キクザキイチリンソウ」の青花と白花です。そして、上手く写真が撮れなかったのですが、青みがかった白い花びらの個体も少数みられ、やっぱり「遺伝の法則」をちょっと思ったのでした。

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エンレイソウ」と「キクザキイチリンソウ」。ガイドさんのお話では、エンレイソウは漢字で「延齢草」と書くので、年配の方に人気なのだとか。漢字の国ならではの楽しみ方ですね。

 

 山に入って山野草の花を目にすると、珍しさと可憐さに、うれしさがこみ上げてきます。特に今回のようにガイドさんがいて花の名前を教えて頂けると、一層のうれしさ、面白さです。一人では絶対に目につかないような、小さな地味な花も、名前を教えて頂いてじっくり見ますと、しみじみとした美しさがあるんですね。自然って凄いな、素晴らしいな。見るものすべてに心を打たれます。

 ところが、一時間、二時間。

 延々続くブナ林。

 群生に歓声をあげたオトメエンゴサクやキクザキイチリンソウも、気がつけばあちらこちらに。

 一株をじっくりみれば、その気品あふれる姿に感じ入ること間違いなしのエンレイソウも、こうあちらこちらに咲いていては・・・。

 飽きるということではないんです。でも、だんだん最初の頃のような感激は薄れて・・・。結論は、「有り難み」が無くなるという事なんだと思います。そのものの持つ美しさは変わらないのに、「珍しいもの」から「ありふれたもの」へと格下げされてしまうのだと思います。「希少価値」というものに人が群がるのも、もっともなことだと改めて思いました。

 最後の写真は、その「希少価値」があるものです。

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 「長沼」のへりに、一カ所だけ赤い何かが落ちている場所がありました。沼に落ちないよう、一歩一歩近づいたところ、 ↓ ズームします

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 真っ赤なキノコでした。ガイドさんによると、「チャワンタケ」の一種だろうということでした。珍しいものではないのでしょうが、今回はここ一カ所だけで見られました。

    「このキノコはこんなに水がたっぷりの場所を好むんですか?」

 ガイド氏「そうではなくて、今は特別に水の多いときだから、たまたま生えていた場所にまで水がきたんでしょう」

 

 ああ、なるほど。自然の変化は思いもつかないほどダイナミックで、そして生物はそれに圧倒されること無く、自在に順応して生き抜くと。

「希少価値」などに重きを置く人間なぞ、自然の鼻息一つで吹き飛ばされて欠けてしまう、チャワン程度の存在なのだろうと思わされたのでした。続く。