おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

「窒素」の蘊蓄

 今日は「窒素」についての蘊蓄を披露したいと思います。

 「窒素」の「窒」の字を使った熟語と言えば?と聞かれれば、ほとんどの方が「窒息」と答えるのではないでしょうか。なぜ、「窒素」の「窒」は「窒息」の「窒」なのでしょうか。

 

 窒素はドイツ語で Stickstoff と言いまして、「窒息させる物質」という意味です。空気中の窒素を分離して、その中に生物をいれると窒息して死んでしまうことから、そう命名されました。そして、日本語の「窒素」はこのドイツ語の意味を訳したものなのだそうです。

 

 この、生き物を「窒息」させてしまう「窒素」ですが、植物にとっては欠かせない存在です。学校で、三大肥料って習いませんでしたか?「窒素・リン・カリウム」です。

 このうち、「窒素」は空気中にたっぷり存在しています。ただし。空気中にある「窒素」は、植物にとって絵に描いた餅です。植物は「根」から養分を吸収するのですから。植物にとって役に立つのは、「化合物」となって雨に溶け、土中にしみこんだ窒素なのです。

 

 今、簡単に「化合物」となって、と書きましたが、化学反応はほっとけば勝手に起きると言うものではありません。反応を手助けしてくれるものが必要です。この場合、莫大な電力なんかいいですね。電気の力で窒素と酸素はくっつきます。

 さて、自然界で電力と言えば何でしょう。そう、雷です。雷のパワーで窒素は二酸化窒素などの化合物となり、雨水に溶け、地中に「固定」され、土地を肥沃にするのです。

 昔の人は、経験的に「雷の多い年は豊作」と知っていたのでしょう。そこから、雷は稲を孕ませる、すなわち稲の夫である=稲夫(つま)と名付けました。現在の「稲妻」という字には、江戸時代に変化したのだそうです。

 また、この説の他には、雷が鳴る頃、ちょうど稲が結実するところから「稲夫」としたという説もあるそうです。

 

 如何でしたでしょうか。私の蘊蓄は楽しんで頂けましたか?少しでも実りある時間であれば幸いです。では。