昨日の記事で、全く普通に「ママさんダンプ」と書きまして、今日になって、ハッと思ったんです。雪国じゃない人にとっては「何んのこっちゃ?」かもって。
そう、「ママさんダンプ」は商標登録名で、一般名詞としては「スノーダンプ」と書くべきだったんですね。
でも、私の周りでは、10人が10人「ママさんダンプ」と呼び、「スノーダンプ」なんて言う人はいませんね。津軽では「スノーダンプ」なんて言おうものなら、「えふりこぎ」=「気取りや」のレッテルを貼られそうな気がするほどです。
なぜ、ママさんダンプなのか。それには深い歴史的背景があるのです。
イラストやさんも描いているとおり、雪国では「雪かき」は伝統的に女性の仕事でした。なぜなら、働き盛りの男性は冬期間、出稼ぎに行ってしまうから。冬の間、家庭を守るのはお母さん達の役目で、そこには当然雪かきも含まれていたわけです。そこで、女性でも楽に雪の運搬が出来るような用具が開発され、「ママさんダンプ」というネーミングが誕生することとなったわけです。
そして、出稼ぎというものが消滅した現在でも、その伝統を最近まで引き継いだ家庭は多く、相変わらず、雪かきに精を出す女性の姿が多く見られたものです。なぜか。
ここからは私の想像なのですが、その「出稼ぎ」がデフォだった時代に育った世代、つまり50代以上は、その目に「雪かき」をする母の姿を焼き付けているわけです。なので、その世代にとっては、雪かきは主婦がするものという思い込みがあるのだと思います。
もう一つ。「過保護」という現代の子育ての問題点が、やっぱりあると思うのです。
雪かきは朝早い作業です。子どもはギリギリまで寝ていたいものですよね。高校生という、十分に雪かき戦力になる娘や息子がいても、かわいそうで、起こせないんですよ。今の親は・・・。私もそうでした。熟睡状態の息子を起こして手伝わせるより、一人で頑張る方を選んでしまうんです。
そうして、雪国に生まれながら、雪かきのやり方もろくに知らない人間ができあがるわけです。そう、雪かきって、やり方というものがあるんですよ。
ところが、よくしたもので、そういう風に雪かきなんてしたこともない彼ら・彼女らも自分で所帯を持つと、見よう見まねでなんとかやっていくんですね。そして、「雪かき」は女の仕事という思い込みもないみたいで(寝ていて、雪かきする母の姿を見ていないので)、最近では雪かきに精を出す男性の姿も当たり前になってきました。私はまだ見たことがないのですが、「パパさんダンプ」なる雪かき用具も誕生したらしいです。
男の仕事とか女の仕事とかとらわれず、協力して日々の生活を送るのは当たり前のことです。その当たり前がなかなか難しいのが結婚生活なのですが、雪かきで喧嘩しながらも、水に流して乗り越えていきたいものです。
雨降って地固まると言いますが、なんたって、雪はとければ水になるものなのですから。では。