おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

雪かきの何が大変なのか

今週のお題「雪」

 

 雪深い地域にお住まいの方にとっては当たり前すぎる事でも、雪の無い地方の方には「珍しい話」かもしれないので、「雪かき」の何が大変なのか、書こうと思います。

 

①雪は固く重い

 雪が積もると、公道には朝早くからブルドーザーが出動します。ブルドーザーの役割は道路に積もった雪を「押しのける」ことです。押しのけられた雪は道路の両側、あるいは中央分離帯にうずたかく積もります。

 さあ、朝の出勤時間です。当然、車は自宅敷地から道路へ。でも、ちょっと待って下さい。個人の敷地と公道の境には、ブルドーザーが置いていった雪の塊、それはもう氷と呼んでもいいような物体が3,40㎝、時にはそれ以上の高さで壁を作っています。それをどかさないことには、車は道路に出られません。そこで雪かきは必須。『ママさんダンプ』と呼ばれる、雪かき専用道具で、ほとんど氷のような固く重い物体を移動させなければならないのです。雪かきとは即ち雪を移動させることに他なりません。

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②雪は、かさばる

 雪をかくこと自体は、実は体力と時間さえあればどうにかなる、先の見える問題なのです。①で雪かきとは雪を移動させる事と書きましたが、最大の問題は「どこへ」移動させるかなのです。

 雪かきはやがて、移動させる場所が無くなってしまうという、ピンチの時を迎えるのです。これを津軽弁では「雪、積む所、無くなってまった」と言います。

 敷地がだだっ広いとか、川のそばに建っているとか、そういう家の方はともかく、ほとんどの家では、玄関から道路までに積もった雪や、ブルドーザーが置いていった雪を、なんとか敷地内に積み上げて凌ぎます。そして、休日にはその積み上げた雪をどこかに、家の裏とか、少し離れた川とかに持って行って、次の雪に備えるわけです。

 そして、それも限界に達すると、お金を払って業者に排雪をお願いしたりします。この排雪にかかる費用は、「なんにもならないお金だけど、仕方ない」と表現されます。

 

③道路の雪は次第に厚くなり、暖かくなると悲劇

 ブルドーザーが雪かきをしてくれるのは、公道だけです。住宅地に細く張り巡らされた「私道」と呼ばれる道には、雪かきは来てくれません。みんな、自分の家の前の雪は自分でやるんです。「ママさんダンプ」や「雪はね」で。↓

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 この自力での雪かきには大きな問題が二つありまして、一つはやっぱり、雪の捨て場に困ること。もう一つは、人力では、車の往来などで固められた雪は掘り起こせないので、次第に道路に厚く雪が残るようになることです。寒いうちはいいんです。固い雪の上を車で走ればいいのですから。

 問題は、3月になって暖かくなる頃、発生します。道路に厚く残っていた雪が、シャーベット状態になって、深い轍を形成します。最悪の事態です。タイヤを轍にとられて、車庫入れが出来なくなったり、時には、タイヤが埋まってしまって、前にも後ろにも出られず、立ち往生ということもあります。

 だいたいこういった狭い私道には、一冬に一度、市で排雪のサービスをしてくれていて、その一度がいつになるのか、皆、祈るような思いで待つわけです。中には、待ちきれずに、市役所に電話する方もあるようです。

 「おらほずさ、いづ、排雪はいるんだば!」(うちの辺りは、いつ排雪が来るのか)

 

④雪の罠

 これは、つい先日、私が実際に体験したことですが、生まれて初めての経験です。

 寒い朝で、フワフワの雪が30㎝ほど積もっていました。我が家の前は私道なので、ママさんダンプで雪を道路脇に寄せていたところ、滑って転んでしまったのです。道路は平らで、ママさんダンプにつかまっていて、足下は雪国仕様のゴム長。転ぶなんて考えられない。何がおきたか。

 雪国の方はご存知だと思うのですが、道路でも、アスファルトの部分とマンホールの蓋の部分では、雪の溶け方が全然違いますよね。マンホールの蓋の上の雪はすぐ溶けて、鉄製の蓋が見えていることがありますよね。我が家の前の道路はだいぶ雪が厚くなっています。でも、マンホールの蓋のところだけは、雪が溶けてガクンと低くなっていました。分かってはいたんですよ。でも。その日はフワフワの雪が、まるで「落とし穴」を隠すかのように被さっていて・・・。見事にはまってしまったのでした。

 不幸中の幸いは、とっさに右腕をついたので、手首をやっちゃったかなと思ったのですが、腰から下が穴にはまったお陰で、体重の半分しか重みがかからなかったみたいで、手首も無事で、どこも怪我は無かった事です。

 ♪ ことし最初の、雪のワナを~ なんて替え歌を歌えるのも怪我が無かったからですね。

 

 雪国は、どうしたって雪と付き合っていくしかないのですから、旅行者の方が来て下さったり、そういう街の賑わいが、やっぱり冬の暮らしの励みになると思うんです。

 雪かきの大変さをあれこれ書きましたが、雪の無い地方の方にはやっぱりピンとこない話かもしれません。百聞は一見にしかず。この雪の時期に、雪の地方を訪れてみてはいかがでしょうか。私の拙い筆では表しきれなかった発見や、旅行者ならではの雪の魅力や楽しみが待っているかもしれません。おすすめは、青森県!では。