東京見物記の3回目です。
帰りの新幹線まで時間の余裕があったので、東京見物締めくくりは、「三菱一号館美術館」に決めました。
三菱一号館は、オフィスビルとして明治27年に竣工。昭和43年に解体されました。2010年、可能な限り忠実に復元、「三菱一号館美術館」として生まれ変わったのだそうです。
↓ 約230万個の赤煉瓦を積み上げて完成したそうです。
中庭に面して美術館入り口があります。係の方が示すボードには、「15分待ち」の文字が。嫌な予感。上野のフェルメール展の大混雑が蘇りました。ところが、嬉しいことに予感はハズレ。適正な間隔で入館させていたらしく、美術館の中はほどほどの人で、落ち着いてゆっくり絵を見ることが出来ました。やるね、三菱!
この展覧会はフィリップスさんの個人美術館の作品、つまりフィリップス・コレクションなのだそうですが、「全部、巨匠。全部、名品」という、評判の展覧会なのです。
確かに、素人目にも素晴らしい作品が揃っていたように思われます。(ホントに素人なので絵の良し悪しはわからないんです。ただ自分の好き嫌いでみてるだけです)
とにかく有名どころが揃っているので、画家の名前をみるだけでもワクワクします。(素人かつミーハーです)
館内は写真撮影禁止なのですが、一部屋だけ、複製がかけてあって撮影可、でした。
↓ ピエール・ボナール「犬を抱く女」
フィリップス氏はボナールに夢中だったようで、「色彩の天才」と評したそう。
ところがですね、お言葉返すようですが、私は今回初めてジョルジュ・ブラックの作品を見まして、ブラックの色彩感覚は「センス!」「天性のセンス!」と思いましたね。
↓ ジョルジュ・ブラック 「鳥」
上の作品では今一つ分かっていただけないと思うのですが、この絵の他に6,7点ありまして、そのどれもが色彩が素晴らしかったです。私の心に浮かんだ言葉は、
西洋のわび・さび
上の「鳥」もそうですが、使っている色が「渋い」の。日本人好みのどこか枯れた味わいがあるんですよ。それでいて、やっぱり西洋のモダンというか。
「わび・さび」めいたものを感じるんですけど、いき、というより、洒落てるって感じかな。
私の拙い筆では伝えきれないので、是非、実物をご覧頂きたいです。11日までです。
あっという間の東京旅行でしたが、ブラックの絵を見ることが出来たのは思いがけない収穫でした。こういう喜びは明日の活力になります。
弘前に帰れば「雪掻き」というブラック労働が待っていますが、頑張りたいと思いました。では。