先日、所用で休みを取りまして家におりましたところ、電話が鳴りました。
「こちら〇〇と申します。不要なお履き物がありましたら、一足からで結構ですのでお買い取りさせて頂きたいと思いまして。踵が痛んでいるとか、底が剥がれているとか、どんな状態でも結構です。こちらで修理して発展途上国の方に送って使って頂きます」
「残念ですが、履けない物は全部捨ててしまって、ありません」
「下駄・草履なんかでも宜しいです。あと、食器、大皿とかございませんか?あるいは着物・帯など、古着でも結構です。一枚から買い取りさせて頂きます。皆さん今日の夕食代になったわ、とか大変喜んで下さいます。」
結果的にはお断りをして電話を切ったのですが、ちょっと気になったので、『電話 訪問 履き物』みたいな感じでネット検索してみました。そうしましたら、実に簡単にヒットしまして、こういうのを『押し買い』というのだそうです。
なんでもいいというのは、家に上がり込むための口実で、狙いは「貴金属」なのだそうです。売るつもりの無かった貴金属を言葉巧みに出させ、相場よりも安く買いたたくわけです。まさに「押し買い」です。この手法の優れている(?)ところは、
・「発展途上国に寄付」という善意につけ込むワード
・草履や着物を持っているのは、ある程度裕福な高齢者で、高確率で貴金属を所有している
・勧誘電話の長い話に付き合うのは一人で在宅している可能性が高い
・食器や着物を査定するには広げて見なければならない、と言って上がり込みやすい
・人は他人を家に入れてしまうと断りにくくなってしまう。まして一人だと恐怖心から相手の言うがままになってしまう
簡単に言うと、詐欺みたいな物な訳です。恐ろしいですね。昔は「男は一歩外に出れば七人の敵がいる」なんてことを言いましたが、現代では男女を問わず、「家にいても敵が来る」時代なのです。おのおの方、ご油断召さるな!
皆さん既にご存知のことだったかも知れませんが、おしっかいおばさんしてみました。転ばぬ先の杖です。では。