おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

奇蹄目と、偶蹄目改め鯨偶蹄目

 奇蹄目、つまり「ウマ」の仲間は、ウマ科・サイ科・バク科の3種しかありません。これに対して、鯨偶蹄目のなかの、鯨類を除いた「ウシ」の仲間は、カバ・イノシシ・ラクダ・キリン・ヤギ・シカなどの仲間からなる、大きなグループを形成しています。「ウマ」よりも、「ウシ」の仲間が圧倒的に多いというのは以前から知っていて、漠然と「何でかな?」とは思っていたんです。それが今回、分かりました。

 

 「ウマ」類も「ウシ」類も、草原で草を食んで生きています。草原は森の中に比べて敵=肉食獣に見つかりやすい。殺されないためには、速く長い距離を走り抜ける必要があります。足の裏全体をベタベタ地面に着けて走っていたら、スピードは望めません。そこで彼等は爪先で走ることにしたのです。その際、第3指(中指)1本で体重を支えることにしたのが、「ウマ」の仲間。第3指と第4指(薬指)で体重を支えることにしたのが「ウシ」の仲間となったのだそうです。ここまでは、「ウマ」と「ウシ」は互角に、平行に進化しました。

 ところが。彼等の食物である草。これは非常に消化しにくい食べ物です。そこで「ウシ」の仲間があみ出したのが「反芻(はんすう)」という方法です。複数の胃に微生物を住まわせ、その力を借りて繊維質を分解発酵させる。それを「反芻」によってさらに効率的なものとする。この消化吸収能力が、「ウシ」の仲間を繁栄へと導いたといわれています。

 反芻能力を持たない「ウマ」の仲間は、消化吸収の効率が劣るばかりでなく、「ウシ」の仲間よりも長い時間、餌を食べ続ける必要があります。それだけ、敵にもおそわれやすくなってしまうのです。

 

 「反省だけなら猿でも出来る」「反芻だけなら牛でも出来る」、いえいえ、「反省」も「反芻」も、生きていくためには非常に重要なことなのです。

 

 蛇足ながら、馬と牛の消化吸収能力の違いは、馬糞・牛糞をみれば、一目瞭然。馬糞は消化しきれてない植物っぽさが残っていますよね。えっ、見たことない?フン、若いのね!

 

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「あのね、私の親戚にクジラさんがいるのよ。イルカさんもいるかって?いるいる」