ハリー・ポッターが唱える魔法の呪文、「エクスペクト パトローナム」とは、「守護霊を期待する」というような意味になります。私が訳すとしたら、「いでよ、守護霊」かな。ちなみに、『守護霊を持て』は桐山靖雄著の大ベストセラー。懐かしいですね。
パトローナムと似たラテン語の単語に「パトローナス」というのがありまして、こちらは「守護聖人」と訳されます。それぞれの国・地域や職業等には、決まった守護聖人がいるという、キリスト教の考えがあるのです。
ヴェネツィアの守護聖人は聖マルコです。聖遺物である、「聖マルコの遺骸」を祀るために建てられたのが、「サン・マルコ寺院(大聖堂)」です。
聖マルコの遺骸は828年、エジプトのアレキサンドリアからヴェネツィアに、隠して運び込まれました。その方法は、検査に当たるイスラム教徒のエジプト人が嫌う、「豚肉」で遺骸を覆うというものでした。寺院正面を飾るモザイクのうち、下の写真のモザイクはその場面を描いています。
これらのモザイクはガラスで出来ているので、色あせること無く、鮮やかな色彩を誇っています。
さて、守護聖人ですが、「日本」にもちゃんと守護聖人がいるんですよ。
フランシスコ・ザビエル、その人です。しかも、フランシスコ・ザビエルは、日本のみならず、東アジア一帯の守護聖人とされていて、なかなか守備範囲の広い方のようです。守護聖人同士で、きょうかいは気にしないのかもしれませんね、意外に。懐も広い方なのでしょうね。なんと言っても聖人ですものね。