おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

青森県の神様達

 まず最初に、アクセントに注意して頂きたいのです。

 青森県では、 ミサマ と カミマ は意味と言いますか、定義が違います。

ミサマ と、「カ」にアクセントがある場合は、標準語の神様です。青森県人も、八百万の神様や外国の神話の神様、宗教の神様をイメージしています。

 

 対して。カミマ と、「サ」にアクセントがある場合。この場合はですね、簡単に言いますと、「超人的な力で願いを叶えてくれる人」のことです。青森県には沢山いらっしゃるのです。

 叶えて頂ける願い事は、「なんでも」です。家内安全・病平癒・縁談・受験・選挙当選・交通安全・安産・商売繁盛、とにかく、なんでもお願いすれば叶えてくれたり、あるいは未来への指針を与えて下さるのです。

 全国区で有名になった青森の神様に、木村藤子さんがいらっしゃいます。彼女は、そもそも、「逃げ出した大蛇がどこにいるか教えて下さい」という願いに見事に答えたことで有名になり、テレビ出演などで大変メジャーな存在となった方です。

 ただ、青森県人としては、彼女が「青森のミサマ」とテレビで紹介されると、いやいや、「カミマ」でしょ、という違和感は拭えないのです。

 

 では、標準語世界の神様と青森県人の生活に生きる「カミサマ」の最大の違いはなんでしょうか。それは、「カミサマ」は神ではなく、人だということです。青森県人と一口に言っても、皆が皆、「カミサマ」を信じているわけではありません。全く信じていない人から、ズッポリはまっている人まで千差万別。スペクトラムってやつです。でも、どんなに「カミサマ」を真剣に信じている人でも、その正体は「人」だということは分かっているんです。なので、「どんな願いも叶えてくれる」が「ダメな時だってある」と納得できるし、「良く当たる神さま」もいれば「当たらない神さま」もいて、それでも神さまだし。更には、神さまだって生活あるもの、対価(金銭)を求めるのも当然だと納得しているんです。

 上に書いた、「超人的な力で願いを叶えてくれる人」

という、矛盾した表現に、「超人なのか人なのか」と突っ込みを入れたくなった方も、なんとなくお分かりいただけましたでしょうか。

 

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恐山には、死者の霊を憑依させ、その言葉を語る「イタコ」と呼ばれる人達がいますが、ここに書いた「カミサマ」とはまた違うのです。


 なんで急に「カミサマ」の話を書こうと思ったかと言いますと、沖縄の知事選のニュースからの連想です。

 青森県では、選挙の時は「カミサマ」に日本酒をお供えして、当選を祈願して貰う立候補者もいるという話を聞いたことがあります。しかも、青森県には「桃川(ももかわ)」という日本酒があるのですが、お供えするのはその「桃川」がいいのだそうです。「とうせん」と音読みできるから。皆さん、結構、ダジャレがお好きなようで。