おばあさん見習いの日々(ダジャレ付き)

1961年生まれ。丑年。口癖は「もう!」

我慢して「蜘蛛」の話にお付き合い下さい

 一昨日の記事は今週のお題「私のふるさと」に寄せて、大嫌いな「虫」について書きました。ずうっと「アシナガグモ」だと思っていた生物の正体が、実は「ザトウムシ」という、サソリなどの仲間だったという内容でした。

 

 今日こそは「蜘蛛」について書きたいと思います。勿論、「蜘蛛」も嫌いです。飛んだり跳ねたりしないだけマシですが。

 先ずは写真をご覧下さい。弘前市のお隣、平川市にある「盛美館」です。こちらのお庭「盛美園」は国指定名勝となっています。

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「盛美館」は1階が和風、2階が洋風という珍しい構造で、しかもかなりの頭でっかち。その微妙なバランスが面白い、明治42年に完成したお屋敷です。もう一枚、写真をご覧下さい。「盛美館」客間の書院の障子です。

 

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 「蜘蛛の巣」のデザインって、珍しいでしょう?私にとっては「エースをねらえ!」以来の衝撃です。ちょっと話はそれますが、「エースをねらえ!」について語らせて下さい。「エースをねらえ!」は多くの方がご存知と思いますが、40年以上前に大ヒットした少女漫画です。素晴らしい作品です。大好きでした。ただ一点。時々、登場人物達の服装のデザインがあまりにヒドい時があることを除いて。特に忘れられないデザインの一つに、「宗方コーチ」の着物の柄があります。衝撃の「蜘蛛の巣」模様。そのインパクトたるや。今でも記憶しているほどなのですから・・・。

 話をもとに戻します。「盛美館」の当主が「蜘蛛」に対してどういう感情をお持ちだったのかはわかりません。でも、少なくとも「蜘蛛の巣」に対してはなんらかの「面白み」を感じておられたのでしょうね。確かに蜘蛛の巣に水滴がついてキラキラしている様子などは私でも綺麗だと思います。蜘蛛や蜘蛛の巣に対して魅力を感じる人がいても、不思議はないわけですよね。

 私のふるさとにも勿論蜘蛛はいました。ところが、弘前に住むようになって、それまで見たことのない蜘蛛が、家の近所には沢山いることに気がついたんです。黒と黄色の縞模様で、足は長め。ある日、夫に「あの蜘蛛、なんていう種類かな?」と聞いたところ、「女郎蜘蛛だろ」という返事が。

 「!」

 すごく変な表現だとは思うんですが、「女郎蜘蛛」って、私にとって、憧れだったんですよ。まずその名前からして文学的じゃないですか(京極夏彦の作品のタイトルにもありますね)。多分、「女郎蜘蛛」に対する私の憧れは、谷崎潤一郎の「刺青」から始まっていると思うのです。虫嫌い、勿論、蜘蛛も大嫌いな私ですが、「女郎蜘蛛」は長い間、一度は見てみたいと思っていたんです。あっけなく叶ってしまいました。もっと大型の蜘蛛かと思っていたのもあって、ちょっと拍子抜け。でも、他の蜘蛛に比べて、その「妖しい感じ」は理解できました。好きな人は好きかもしれません。

 誰かにとっては大嫌いなものでも、他の誰かにとっては魅力的だということは珍しいことではありません。いろいろなものの見方があって世の中はうまいこと回っていくし、面白くもあるわけです。

 例えば、「蜘蛛の巣」柄の着物を着る宗方コーチ。服装の趣味は悪くても、大好きです。でも、私の一番、そして主人公「ひろみ」の一番も、なんと言っても藤堂さん。ところが、「お蝶夫人」は宗方コーチに惹かれていたようで、好みはいろいろなわけです。きっと、「お蝶」だけに「蜘蛛の巣」にひっかかってしまったのでしょうね。