日本一短い会話。津軽弁の場合。
「け」
「く」
意味はですね、
「け」(食えよ)
「く」(食うよ)
となります。( )内の標準語訳でおわかり頂けますように、この会話は男同士、男言葉のものです。
同じ会話を津軽美人同士(女言葉)でした場合は、
「食べへ、食べへ」(どうぞ召し上がって)
「わいは~、どすべの。ごっつぉになるんだっきゃ」(まあ、どうしましょう。遠慮なくごちそうになっちゃうわね)となります。
とかく女性は口数が多いとか、話が長いとか言われます。でも、これでおわかりでしょう。日本語特有の(津軽弁も日本語です)女性言葉のせいだったんですよ。ジェンダーってやつ?女性がなが~く、い~っぱいしゃべるのは日本語の構造的な問題なので、これはもう、どうしようもないことなのです。
さて。
「け」「く」が発見されるまで、長らく日本一短い会話とされていたのが、有名な
「どさ」(どちらへ)
「湯さ」(お風呂に)です。
この会話については、寒い寒い津軽では、冬に長く立ち話をしていると凍死してしまう恐れがあり、会話を短く切り上げるために生まれたという説があります。(私調べ)
全国的に?有名な「どさ」「ゆさ」。これをこの度、私が壮大なスケールに改変致しました。
しかも、ロングヴァージョンでお届けします。お楽しみ下さい。
「どさ」(どちらへ)
「なさ?」(何しに?)
「宇宙飛行士さ、なさ」(宇宙飛行士になりに)
「なひゃ?」(なんでまた?)
「なさ?」(お前に?)
津軽人以外の方には信じて頂けないかもしれませんが、これは津軽では立派に通じる会話です。ホントです。いくら宇宙ロケットのNASAの話だと言っても、私、話を飛ばしたりしてませんから。
願わくば、明日を担う津軽の子供達にとって、日本一短い会話として持ち出す例が、
「どさ」「ゆさ」ではなく、「どさ」「なさ」となる日が来ますように。
少年よ、大志を抱け!